issuesの高松です。
「シビックテックってなに?」「実際にシビックテックを取り入れている自治体の事例を知りたい」シビックテックには住民のお困りごとが解決され、さらに自治体職員の業務軽減につながるメリットがあります。
この記事ではシビックテックとは何か、またシビックテックを取り入れている自治体の事例をご紹介します。最後までお読みいただくと、地域の問題解決のヒントが得られますよ。
シビックテックとは?
シビックテック(CivicTech)は、市民(Civic)とテクノロジー(Technology)を合わせた造語。市民が抱える課題をテクノロジーを使って解決しようとする考え方です。
日本のシビックテックのはじまりは3.11
日本で最初にシビックテックが始まったのは2011年3月11日の東日本大震災の直後。災害から4時間後にオープンしたsaigai.infoがきっかけです。有志のエンジニアが開発し、被害状況、避難所、安否情報など、地図上で閲覧できます。
さらに、2020年には東京都が委託して完成させた、新型コロナウイルス感染症対策サイトもシビックテックが広がるきっかけに。
「GitHub」にソースコードを公開して、有志のエンジニアやデザイナーと意見交換をしながら開発を進めていきました。
さらにこのサイトは立ち上げてから、サイトのソースコードやデータ形式を公開。他の自治体でも活用できるようにした点で、全国から注目を集めました。
【石川県金沢市】ゴミの日が一目でわかるアプリ
石川県金沢市では、ごみ分別アプリ「いいね金沢 5374App(ゴミナシアップ)」を活用しています。「ごみ収集はいつ?」「ごみの分別が分からない」という市民の声に答えたもの。
例えば、「タイヤ」を捨てようと思ったら、行政のホームページを探すところから始まりますよね。ゴミナシアップを使えば、「タイヤ」と入力するだけで、パーツごとの分別を教えてくれます。
さらに、ごみの日も通知も!忙しくても出し忘れがなくなります。
ごみの分別ができると、清掃員も安全にゴミの回収ができます。そしてリサイクルもできてと、住民と自治体両方にメリットがあります。スマホ1台でOKなので、住民のごみ捨ての意識改善にも役立ちますね。
【千葉県千葉市】まちのお困りごとを市民がスマホで報告
お困りごとはちばレポにおまかせ!
千葉県千葉市では、市民からのお困りごとをスマホに入力して、市に報告してもらう「ちばレポ」を導入。市だけは把握しきれなかった道路の穴やガードレールの破損を、市民から集めて改善につなげていく仕組みです。
もし、近所で道路の穴を見つけたら、どこに連絡すればいいか、すぐにわかりますか?おそらく、自治体のホームページから連絡先を一生懸命探す方が多いはずです。ちばレポがあれば、アプリを立ち上げるだけでOK。住民側も余計な手間が発生しないので、お困りごとの報告が身近になります。
補修もちばレポで共有
補修が終わったら、ちばレポで写真と一緒に住民に共有されます。
自分の共有した困りごとを市が対応して、目に見える形で返ってくるので、住民も「報告してよかった。また困りごとがあれば共有しよう!」と思えますね。
<参考サイト>
https://www.city.chiba.jp/shimin/shimin/kohokocho/chibarepo.html
https://www.city.chiba.jp/shimin/shimin/kohokocho/chibarepothemereporte.html
【東京都板橋区】区民に好評!「書かない窓口」
二次元コードでピッするだけ!
東京都板橋区では、区役所での書類申請がスマホ1台で完結。事前にスマホに必要事項を入力すると、二次元コードが発行されます。
区役所に着いたら、専用の機械でQRコードを読み取らせるだけ。申請書類が出てきます。対応しているのは、住民異動届(転入・転出・転居)や住民票の写しの交付申請書など。
役所に書類を取りにいくと、待ち時間がかかるイメージがありますよね。書かない窓口なら、仕事の合間にも行けて助かりますね。
区民の声からできたシステム
書かない役所は、住民票など書類申請にITを取り入れてほしいという区民の要望から実現しました。
実は、この政策の実現にはissuesも少しだけ関わっています!テレビ東京 モーニングサテライトでも紹介されたので、ぜひこちらもご覧ください!
https://senyou.the-issues.jp/blog/240126
参考サイト
https://jizen.publicserviceplatform.com/?public-entity-code=13119
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/kouhou/houdou/1047573/1047704.html
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/koho/1045448/1047505/1047507.html
シビックテックは住民のニーズを拾うところから
この記事では、金沢市のゴミ出しアプリ、千葉市の共有アプリ、板橋区の書かない窓口の事例をご紹介しました。自治体でのシビックテックのスタートは、住民のお困りごとを知ることから。
issuesでは、「住民のニーズを知る」お手伝いができます。どうぞお気軽にお問い合せください。