issuesの高松です。
「公務員が働きやすい職場の事例を知りたい」公務員は残業もありハードなお仕事。総務省の調査では、年間の残業時間は148時間(令和3年)という結果も。繁忙期には夜遅くまで業務することもあります。
この記事では、職員が働きやすい職場づくりを進めている、3つの自治体の事例をご紹介します。最後までお読みいただくと、お住まいの自治体での働き方改革の参考になりますよ。
<参考サイト>
https://www.soumu.go.jp/main_content/000853563.pdf
【参考】国家公務員の退職理由は「長時間労働」
内閣府人事局は「令和4年度働き方改革職員アンケート」で、国家公務員の退職理由のトップが「長時間労働の常態化」と発表しました。
年代は、多い順に、
業務の中核をなす、30〜40代が多い結果に。住民のために働く自治体職員も、国家公務員同様にハードワーク。離職する可能性は大いにあります。
どの自治体でも職員の離職は痛手。働き方改革で職員が続けたいと思える環境作りが必要です。
https://www.city.neyagawa.osaka.jp/material/files/group/81/hatarakikatakaikakuplan.pdf
【大阪府堺市】先生だって休みが必要!
教員の残業時間が大きな問題に
大阪府堺市では、教員の長時間労働が課題でした。
堺市の教員の時間外労働(平成28年)は、
と、36協定で定められた年間360時間を大幅に超えていました。
この数値は平均なので、中にはそれ以上勤務している教員も。堺市独自でプラン“SMILE”を導入することになりました。
教員の業務を減らす仕組み作り
堺市では、教員の業務を減らすため、市が主導してさまざまな施策を行いました。
例えば、学校閉庁日の実施。8月の平日3〜4日間、学校を完全に閉庁。教員もその期間は休みです。土日と合わせると長めのお休みにすることもできます。
また、中学高校の教員には、部活動の指導もあります。授業の準備に、部活の指導もあるとなかなか仕事が終わらず帰ることができません。
そこで外部から部活動指導員をお願いすることに。放課後は翌日以降の授業の準備に専念できます。
堺市では、様々なプロフェッショナルの力を活用しながら、教員が本来の専門性を発揮できる環境を整えようとしています。それが働き方改革にもつながるのです。
<参考サイト>
https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/kyoiku/torikumi/plan/df_filename_smile2.files/smile_honpen.pdf
【大阪府寝屋川市】完全フレックスタイム制で働きやすい職場
寝屋川市の課題は、職員の長時間労働
寝屋川市では職員の長時間労働が課題でした。中には月100時間を超える時間外労働が発生している職員も!さらに、職員の時間外労働でかかっていた残業代は年間2億7千万!
職員の生産性の向上と、ワークライフバランスのため、働き方改革を行うことになりました。
完全フレックスタイムで家庭の時間ももてる
業務効率化のために導入したのが、完全フレックスタイム制。1ヶ月の総時間が決まっていて、1日ごとの勤務時間を自分で調整できます。
例えば、繁忙期で、数日間8時から20時まで勤務。繁忙期が過ぎたら、1日の業務時間を短くして9時から15時という働き方もあり!
時間の割り振り次第で週休3日という働き方もできます。
令和2年4月の時点で、完全フレックスタイムを活用したのは職員の55%。
子どもの保育園や小学校の学童のお迎えや、平日に友人との予定も組めますね。寝屋川市の職員になりたい人も増えているそうです。
もっと働きたい人には「希望残業制度」
中にはキャリアアップのために、家族のためにもっと働きたい人がいるのも事実。希望残業制度を使って時間外労働を申請すると、普段の業務とは違う部署で業務サポートができます。
職員の働きたい気持ちに答えつつ、繁忙期の部署にとっては力強いサポートに。柔軟な働き方ができます。
<参考サイト>
https://www.city.neyagawa.osaka.jp/material/files/group/81/hatarakikatakaikakuplan.pdf
【実証実験】週休3日を取り入れた群馬県前橋市の事例
週休3日の導入に向けて、群馬県前橋市は2023年8〜9月に週休3日制を実験的に導入。職員から希望者を募り(繁忙期の部署は除外)、全職員の約9%が参加しました。1週間の総勤務時間は変えずに、出勤する4日間の出勤を早くするか、退勤を遅くするかで調整。
アンケートでは、参加した職員の55%が「満足」と回答。一方で30%の職員が業務に支障があったと答えました。
他には栃木県宇都宮市や岡山県岡山市でも導入に向けた検討が進んでいます。
<参考サイト>
https://www.asahi.com/articles/ASRCZ7JVNRCYUTNB007.html
職員が元気なら、自治体も元気になる!
今回の記事では、堺市の教員の働き方の見直し、寝屋川市のフレックスタイム制度、前橋市の週休3日制の実証実験についてご紹介しました。
職員が笑顔で過ごせる職場なら、窓口に行った住民にも笑顔は伝わります。仕事も生活も両方楽しめる仕事のあり方を、自治体主導で進めていく必要がありそうです。
ぜひお住まいの自治体での参考になさってみてください。