先日、issues官民共創勉強会にて、2030年度までにCO2を46%削減するための電子機器の新しい選択肢をテーマとしたオンライン勉強会が開催されました。
今回は、早稲田大学 大学院 工学研究科の小野田 弘士教授と、Back Market Japan株式会社 取締役 アジアパシフィック地域代表の山口 亮氏をお招きし、2030年度までにCO2を46%削減するための電子機器の新しい選択肢についての勉強会を開催しました。
主催のissuesは特定の企業の営業支援を行うものではなく、官民共創の促進を目的とし、議員の皆様へ先進事例の共有や学びの機会を提供する中立な立場として本レポートをお届けします。
このレポートでは、ご多忙のため勉強会にご参加いただけなかった地方議員の皆様へ、電子廃棄物とCO2削減に関する社会課題にフォーカスした当日の主要な内容を、具体的な事例と質疑応答の内容を踏まえてお伝えします。
日本の環境・政策立案における現状・課題
近年、ごみ処理施設や資源化施設の建設費が高騰しており、多くの自治体においてコスト負担が大きな政策課題となっています。このような課題に対し、国は2030年循環経済行動計画を策定し、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて官民で1兆円の投資を行う方針を示しています。また、環境省による「リユース等の促進に関するロードマップ」においては、シェアリングやリペアなどと並び、「リファービッシュ」を通じた製品の長期利用が推進されています。自治体が民間企業と連携して資源循環や脱炭素に向けた行動計画を推進することが求められています。
デジタル産業による環境への影響
世界のCO2排出量のうち、電子機器の製造やデータセンターなどのデジタル産業に起因する割合は3〜4%であり、航空業界の2.5%を上回っています。この割合は、そのまま対策を行わない場合、2030年には7%、2040年には14%にまで増加すると予測されています。さらに、世界で排出される電子廃棄物は年間6,200万トンにのぼり、日本は中国、アメリカ、インドに次ぐ世界第4位の排出国となっています。スマートフォンをはじめとする電子機器の買い替え頻度が3〜4年と短く、買い替えられた端末の80%は故障もなく十分に使える状態のまま廃棄されている現状が、環境負荷を高める要因となっています。
リファービッシュ品という選択肢とその効果
リファービッシュ品(整備済み製品)とは、専門家が検査・クリーニングを行い、必要に応じて修理を施した上で、すべての機能が正常に動作することが確認された製品を指します。フランス環境エネルギー庁(ADEME)の報告書によれば、ライフサイクル全体におけるリファービッシュ品の環境負荷は、新品と比較して大幅に低いことが示されています。具体的には、スマートフォン1台あたり、CO2排出量を92%(84.4kgから7kgへ)、水利用を86%(89,100Lから12,100Lへ)、原材料資源を91%(266.7kgから23kgへ)、電子ゴミの発生を89%(200.2gから22gへ)削減することが可能です。
質疑応答やハイライト
質問:老朽化したリサイクルセンターの建て替えにおいて建設コストが高騰しています。行政で処理施設を持たず、すべて外注することは可能でしょうか。
回答:施設を持たないという選択肢は存在しますが、委託先の事業者が信頼できるかどうかが重要になります。また近年では、公共と民間が協定を結び、施設の整備を民間資金で行う公民連携(PFI等)を前提に計画を進めている自治体も出てきています。
質問:リファービッシュの整備販売事業者は日本国内にどのくらいあるのでしょうか。また調達の際、事業者とはどのような関わり方になりますか。
回答:現在、大手企業の専門子会社から街の修理事業者まで、国内で約70社の事業者と提携しています。大規模な調達の際は、提携している販売者と調整を行い、品質が担保された製品を一括して提供する枠組みが可能です。
質問:調達時に、リファービッシュ品の導入によるCO2削減効果などをアピールできる資料の作成は可能でしょうか。また、日本と諸外国でリファービッシュ品の知名度に差があるのはなぜですか。
回答:ADEMEの研究結果などを基に、導入台数に応じたCO2削減効果を算出し、資料として提供することは可能です。知名度の差については、海外では端末の単体購入が普及しているのに対し、日本では長年通信プランと端末のセット販売が主流であったため、中古やリファービッシュ品が選択肢に入りにくかったことが背景にあります。
まとめ
リファービッシュ品の活用は、自治体におけるCO2排出量や電子廃棄物の削減といった環境課題の解決に寄与するだけでなく、公共調達のコスト削減、地域住民へのデジタルデバイド対策、災害時の備えなど、多角的な地域課題解決の有効な手段となります。最新技術や民間企業との連携による新たな取り組みは、地域主導の持続可能な社会形成に貢献することが期待されます。
自治体規模に応じた具体的な対策シミュレーション
皆様が活動されている自治体の地域特性や予算規模に合わせた、より具体的な先進事例の共有と課題解決の相談会(ミートアップ)を実施しています。
個別相談をお申し込みいただいた皆様には、本勉強会のアーカイブ動画を共有いたします。
動画を事前にご覧いただき、あらかじめ自治体の担当課と地域の現状や課題感についてコミュニケーションを取っていただいた上で相談会(ミートアップ)ご参加いただけますと、当日はより地域の実情に即した有意義な情報交換が行えます。
地域の社会課題解決に向けた具体的なステップとして、ぜひこの機会をご活用ください。
個別相談の予約リンクは以下からご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
issuesでは、今後も議員の皆様の地域課題解決の一助となるような情報発信や勉強会を実施してまいります。