こんにちは。issues事務局です。
地方議員の皆様におかれましては、教育現場の働き方改革に取り組んでいる方も多くいらっしゃると思います。
教育現場の問題については数え切れないほどありますが、今回は学校で毎年制作される卒業アルバムにまつわる課題にフォーカスをあて、整理してみました。
後半では、課題への対応事例も紹介しております。
「うちの子の写真が少ない」という声は毎年の“あるある”。実際、児童生徒ごとの掲載回数に偏りが出ないよう、写真を数え上げて調整する作業が発生します。メディアや個人ブログでも、こうしたクレーム予防のための手作業が現場の負担になっている実態が紹介されています。 [1] [7]
2025年4月、江戸川区は卒業アルバム制作事業者のシステムがランサムウェア攻撃を受け、「掲載情報が漏えいしたおそれ」を公表。対象者への案内など、区としての対応に追われました。平塚市でも2025年3月・5月に、不正アクセス事案(別会社を含む)を相次いで公表しています。事故時は、本人通知・問い合わせ対応・再発防止の説明など、学校やPTAの調整事務が一気に増えるのが現実です。 [2] [3]
保護者・教員計1200人の調査では、「必要ではない役職」の上位に卒対が挙がりました。負担となっている旨を直接示したものではありませんが、割に合っていないと思われていることが示唆されます。 [4]
卒業アルバムは版下(元データ)づくり等の固定費がかかるため、人数が少ない学校ほど1人あたりの負担が重くなる、という仕組み的な問題があります。実際、1冊3万円といった高額事例が報じられ、主因として少子化=部数減が指摘されています。 [5] [6]
千葉県柏市立手賀西小学校では、顔認識AIで写真ごとの登場回数を自動カウントし、公平性チェックを省力化。国の事例集にも掲載され、作業時間や来校回数が「おおむね半減」という効果が紹介されています。 [1]
文部科学省の公式「働き方改革事例集」(令和5年3月改訂)でも、卒業アルバム写真選定の自動化(AI活用)が具体例として触れられています。自治体として「学校の業務改善」枠で支援・普及を後押ししやすい分野です。 [8]
東京都文京区立第九中学校は、紙の共通ページに加え、生徒が自分で写真を選ぶデジタル版を導入。「選ぶ体験」を本人に戻すことで、先生・PTAの選定や差し替え作業の削減にも有効な事例です。 [9]
それでも、個人情報漏洩や価格格差解消については事例が少ないのが実情です。AIなどの最新技術を採用して作業負担を削減したとしても、卒業アルバムの価格に反映されてしまい、一筋縄ではいかない状況です。
こういった課題を抱えている「卒業アルバム制作」について、業界内から問題提起してくれる勉強会を実施します。PTAや先生の負担軽減に一石を投じたい方、学校まわりの個人情報管理が気になっている方は、ぜひご参加ください。
参考資料