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ネット選挙におけるSNSの重要性|戦略と活用のポイントを解説

作成者: にしのやすひろ|2024/03/21 4:52:48

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2013年にネット選挙が解禁されたことを契機に、政治活動におけるSNS運用の重要性が年々高まっています。この記事では、ネット選挙時代におけるSNSの重要性やそれぞれの特徴を解説します。ぜひ最後までお読みいただき、有権者と密な接点を持つSNS運営の参考にしていただければ幸いです。

ネット選挙におけるSNSの重要性

近年のSNSは世論を動かすほどの影響力を持ち、選挙戦のあり方を変えつつあります。むしろSNSを使わないと選挙戦に勝てない時代になったという分析もあります。特に若年層の認知度上昇にはSNS運用が不可欠でしょう。

しかし、重要なのは「SNSでのフォロワー数や発信量が多い候補者が当選するとは限らない」という点です。SNS活動の基本的な考え方は、各プラットフォームの特徴を把握し、発信したい内容やターゲット層に応じて使い分けることです。

ネット選挙におけるSNSは、不特定多数に情報を発信するツールではなく、本当に伝えたいことを伝えたい人に届けるためのツールです。適切な戦略と知識をもってSNSを活用し、選挙活動を大きく躍進させましょう。

各SNSを使ったネット選挙戦略

SNSにはさまざまなプラットフォームが存在しますが、選挙戦で有効に活用するためには、それぞれの特徴を理解することが重要です。以下に、6つの主要なSNSプラットフォームの特徴を解説します。

  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • LINE
  • Instagram
  • TikTok
  • YouTube

選挙戦略を成功させるためには、ターゲット層の属性やニーズに合わせてコンテンツを提供するSNSを選定し、支持者と効果的なコミュニケーションを図ることが不可欠です。

Facebook

Facebookは実名登録が原則であり、その信頼性の高さから日本の政治家の中で最も活用率が高いSNSです。利用者の年齢層は年々高齢化している傾向がありますが、地域を絞った広告を出せるという利点を持ちます。

長文投稿はあまり読まれない傾向があるため、別途用意したブログ記事のリード文と画像を載せ、流入の窓口として活用する戦略が効果的です。

また、頻繁な投稿はフォロワーからの反感を買い、アルゴリズムにより表示されにくくなります。1日に何回も投稿するのではなく、朝と晩の2回程度に抑えるなど、投稿の間隔を空けることが重要です。

投稿内容も専門用語を避け、理解しやすい内容を心がけることが大切です。画像や動画、Live配信などのマルチメディアも積極的に活用し、政治イベントの告知ばかりではなく、家族や趣味のエピソードなども投稿することで「いいね」を獲得しやすくなります。信頼性の向上とフォロワーとのコミュニケーションを重視し、適切な戦略を取ることが重要です。

X(旧Twitter)

Xは匿名利用が一般的であるため、攻撃的なコメントが多い傾向にあり、炎上リスクが他のSNSよりも高いと言われています。しかし、若い世代にとって自己表現や情報発信の場として欠かせないプラットフォームでもあります。

特にリアルタイム情報の発信に優れており、瞬時に情報を拡散できる力を持っています。ただし、災害など緊急時の発言には配慮が必要です。不適切な投稿は批判を招く可能性があるため、内容に十分留意して投稿しましょう。

また、情報の流れが速いため、投稿がすぐに埋もれてしまうという欠点もあります。固定ポスト機能を上手に活用することで、重要なメッセージは常に目につくように運用することが大切です。

Xの利用は拡散力が強いぶん、炎上のリスクも伴いますが、冷静な判断と積極的な情報発信を心掛ければ、有益なコミュニケーションの場として活用できます。

LINE

LINEは、日本人の9,500万人以上が利用する最もユーザーが多いSNSです。若い世代だけでなく幅広い年代で連絡ツールとして利用され、国民的な連絡アプリとなっています。

LINEの最も特徴的な点はプッシュ通知です。これにより、最新の情報を効率よくユーザーに伝えられます。ただし、頻度や時間帯によっては迷惑になる可能性があるため、2〜4週間に1回程度、早朝や深夜は避けて配信するように心がけましょう。

登録者を増やすためには、積極的に支持者に登録を呼びかけるとともに、Facebookや他のプラットフォームでも開設のお知らせを行いましょう。さらに、各種PRグッズに二次元コードを載せることで、多くの人にアカウントを知ってもらう機会を設けることが有効です。

LINE公式アカウントは基本的に無料で開設できますが、一定数のフォロワーに対して継続的にメッセージを配信する場合は有料プランに切り替える必要があります。積極的に活用する場合は、運用コストにも注意を払いましょう。

LINEは利用者数が多く、プッシュ通知を活かした効果的な情報発信が可能です。今後は政治の場面でも、LINE公式アカウントの活用がより進むと考えられます。

Instagram

近年若者が情報を収集する手段として、GoogleなどのWEB検索に代わって、Instagramのハッシュタグ検索が好まれる傾向が見られます。この特徴に注目し、政界でもInstagramアカウントの開設率が上昇しており、その伸び率は他のSNSよりも高くなっています。

Instagramの利用者は他のSNSよりも好意的であり、荒れたコメントが少ないのも特徴です。堅苦しい印象を与えがちな議員が、自身の人間性や人柄を表現し、親しみを持たれる場としてInstagramは最適なプラットフォームだと言えるでしょう。

即効性はそれほど高くありませんが、リール機能を活用すれば、フォロワー以外のユーザーにもアカウントが露出し、新たなフォロワーを獲得することも可能です。また、インスタライブを通じてフォロワーとのコミュニケーションを深めることも、有権者に親近感を抱いてもらえる効果的な手段となるでしょう。

政治家にとってInstagramは単なる情報発信ツールではなく、親しみやすさや人間味を伝える場でもあります。これを活用することで、より多くの支持者を獲得し、有権者とのコミュニケーションを深められるでしょう。

TikTok

TikTokは、最大3分の動画を手軽に投稿できるショート動画に特化した動画投稿専用のSNSです。1つの動画を見た後は次の動画が即座に表示されるため、フォロワー以外のユーザーにも多くの視聴機会を生み出すプラットフォームです。

TikTokは当初若年層の利用が多かったものの、2021年10月の博報堂の調査によると国内ユーザーの平均年齢は34歳を超え、年々上昇していることが分かりました。この傾向に合わせてコンテンツのトレンドも変化しており、日常生活の知恵や実用的なハウツー動画、教育系動画へと移り変わっています。

特に政治分野では、「切り抜き動画」として演説や政治家のコメントなどを編集し、再投稿される動画が多く見られます。長時間の演説動画からハイライトを抜き出し、タイムパフォーマンスを重視する層によりリーチできます。2022年の参院選では参政党がこの手法を活用し、若い世代へのリーチを図り躍進したと言われています。

また、支持者で既にTikTokを活用している人に発信してもらうことで、より多彩な層に情報を届けられる可能性があるのもTikTokの特徴です。短くキャッチーな動画を通じて、支援者の新規開拓を担うプラットフォームとして活用できるでしょう。

YouTube

YouTubeはコロナ禍の巣ごもり需要において利用者数が急増した動画プラットフォームです。2022年の参院選では、YouTubeの動画広告を活用する陣営が増えるなど、政界でもYouTubeを積極利用する動きが加速しています。

動画の視聴回数を増やすためにはさまざまな工夫が必要です。サムネイルやタイトルに工夫を凝らしクリックを促すのはもちろんのこと、ホームページや他のSNSにも埋め込むなど、横断的に露出を増やしていく施策が必要不可欠でしょう。また、定期的な更新やコンテンツの充実も大切です。

動画コンテンツの種類は多岐にわたり、目的に合わせた柔軟な運用が可能です。具体的には街頭演説の切り抜き動画やライブ配信、トレンドニュース解説、政治の仕組みや政策のハウツーなどが挙げられます。重要なのは、自分の得意分野に合わせてコンテンツを選び、継続的に配信していくことです。

YouTubeは幅広い目的で活用できる一方で、チャンネル独自の特徴を見出していかないと伸ばしていくのが難しいプラットフォームです。工夫と改善の継続が重要であり、コメントを介した視聴者とのつながりを大切にしながら、質の高いコンテンツを提供し続ける根気が求められます。

ネット選挙のSNS戦略は継続が命

ネット選挙運動におけるSNS運用は、それぞれに戦略が必要であり、手間がかかるという印象を持たれるかもしれません。しかし、全てを完璧にこなすことよりも、無理のない範囲で活動し、それを継続することで効果が現れるものだと理解しましょう。

SNS戦略に即効性はありません。もちろん、発信プラットフォームの選定や運用方針の策定は重要ですが、その上で、SNSの活動も朝夕の駅頭や交差点での政治活動と同じようにコツコツと確実に継続していくことが必要です。

そのためには、時間の効率的な使い方が重要です。毎日あらかじめ決めた時間帯をSNSの作業時間に割り当て、情報発信を行いましょう。ユーザーの反応に一喜一憂することもあるでしょうが、焦らずにコツコツと積み重ねることが大切です。

例えば、issuesを活用することで、Facebook、Twitter、Instagramなどの複数のSNSに横断的な広告を一気に掲載でき、時間短縮とともにマルチプラットフォームで政策や候補者の認知度を高められます。候補者が独自に打つ広告よりも、10倍から30倍以上クリックされた事例もあります。ぜひSNSを継続して運用するためのツールとして検討してみてはいかがでしょうか。

SNSを使いこなしネット選挙時代を生き抜こう

この記事では、各SNSの特徴や具体的な活用方法について解説してきました。ネット選挙時代におけるSNSの重要性や関わり方を学んでいただき、議員の皆様と有権者のつながりを強めるためのヒントとしていただければ幸いです。

【参考資料】

https://www.city.hamada.shimane.jp/www/gikai/contents/1629159233947/simple/suraido.pdf
https://whogoverns.tsuda.ac.jp/sophomore/2022/sns.pdf
https://www.tokyo-np.co.jp/article/187549