issuesの高松です。
「自治体で独自に奨学金制度を設けている事例はあるのか？」
奨学金は進学に必要な資金を支援し、学生が学び続けられるようにする制度です。
経済的な理由で学びの機会を諦めることがないよう、家庭の事情に関わらず、自治体やさまざまな機関で奨学金制度を整えています。
この記事では、奨学金の特徴や自治体独自の奨学金制度をご紹介します。
奨学金と一言で言っても、さまざまな種類があります。今回は最も多い貸与型と給付型をご紹介します。
貸与型は卒業後に奨学金の返金が必要な奨学金です。
貸付利息がかかるもの（有利子）、貸付利息がかからないもの（無利子）があります。
借りた分の金額だけ返還すれば良い無利子の貸与型が人気ですが、基準が厳しく、なかなか借りられないのが現状です。
そのため、多くの学生が有利子の貸与型奨学金を選択します。
貸与型と違って返済する必要がありません。
卒業後の経済的メリットが大きい反面、基準が厳しくなかなか受けられないのが現状です。
対象は学生です。
・高等学校
・高等専門学校
・大学
・専門学校
・大学院
・海外の学校進学者
など。
新入生だけでなく、既に学校に在籍している学生も途中から奨学金を申し込むことが可能です。
奨学金で有名なのは、日本学生支援機構です。他にも自治体、基金、民間団体、大学の独自制度などがあります。
ここでは自治体の奨学金制度をご紹介します。
東京都足立区では返済不要の奨学金制度を整えています。
決定まで、さまざまな審査があります。
・申込み時までの成績が、5段階評価で平均4.0以上あること
・世帯年収が基準以下であること（年収目安：4人世帯800万円）
・奨学金を受けようとする者の生計維持者が、申請日において足立区内に直近3年以上居住していること
・学修計画表を提出すること（将来の目標、目標に向けて今までどのような努力をしてきたか等）
決定までの流れは、書類選考、面談、足立区育英資金審議会の審査を経て決定します。
〇足立区給付型奨学金奨学生募集
https://www.city.adachi.tokyo.jp/gakumu/k-kyoiku/shochu/202212kyuufugatasyougakukin.html
徳島県では奨学金返還支援制度を用意しています。
条件は、
・日本学生支援機構奨学金等の貸与を「受けている方」又は「受けていた方」
・徳島県内の事業所に正規職員として就業を希望する方
助成額は、大学、大学院、高専を卒業した方の場合、
・無利子奨学金の借受総額の1/2 (上限100万円)
・有利子奨学金の借受総額の1/3 (上限70万円)
を肩代わりします。
〇【全国枠】徳島県奨学金返還支援制度＜助成候補者の募集＞
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/sangyo/shushokushien/5048099/
看護師など国家資格を取得する方向けの奨学金制度もあります。
高梁市では、看護学校や看護系大学に進学して、看護師免許を取る予定の学生に奨学金を用意。
看護師等の免許を取得し学校卒業後、一定の期間市内医療機関等で看護師等として勤務した場合には、奨学金の返還が免除されます。
〇高梁市看護師等養成奨学金について
https://www.city.takahashi.lg.jp/soshiki/20/kangoshisyougakukin.html
奨学金は借金でもあります。
学校を卒業して働き出しても、生活費や物価の上昇、上がらない賃金体系から、奨学金の返済が難しい人もいます。
さらに、20〜30代は結婚や出産で家族が増えたり、自宅を購入したりと出費が多い年代。奨学金の返済は家計に大きな負担となります。
また、返済の目処が立たなくなり、自己破産に追い込まれるケースもあります。
奨学金は借りるだけでなく、返還プランや金額を事前に把握し、慎重に選択することが大切です。
〇「死んでチャラにしようと思った」 奨学金3000件調査から見えた「生の声」（今野晴貴） - エキスパート - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f5bc8e871168e6202fe5c81f8cd4f13f0a7552e8
この記事では、奨学金の特徴や自治体の事例（東京都足立区、徳島県、岡山県高梁市）について詳しく説明しました
学費や生活費の心配をせずに学べる環境を提供することが、奨学金制度の大きな目的の一つです。
私も学生時代に奨学金の支援を受けました。学びに集中できる環境が整えられたことに感謝する一方、長い返済に苦労した1人でもあります。
給付型奨学金の門戸がもっと広がることを願っています。
ぜひお住まいの自治体での参考にしてみてください。