issuesの高松です。
「学童を希望しても入れなかった。なんとかなりませんか?」
こんな声を住民から聞いた方も多いのではないでしょうか。
「小1の壁」は思ったより高いものです。自治体によって学童(放課後児童健全育成事業)の受け入れ態勢が異なり、親は仕事を退職するかどうかの判断を迫られるケースもあります。
この記事では2024年から始まる東京都の認証学童クラブ制度をご紹介します。最後までお読みいただくと、お住まいの自治体での待機児童解決へのヒントが得られますよ。
小1の壁とは、子どもが小学校に上がると、保育園時代と比べて親の仕事と子育ての両立が難しくなることです。
特に母親が退職したり、パートに切り替えるなど、子どもに合わせて仕事を見直す方も多いです。
小1の壁に当たる理由は2つあります。
保育園の場合、開園時間は朝7時台。さらに夕方には延長保育があります。仕事の都合で通常の保育時間にお迎えにいけない場合、預かり時間を長くすることができます。
しかし小学校の学童は、延長がないケースがあります。子どもが学童から先に帰ってきて、親の帰宅まで1人で自宅で待っていなければいけない家庭もあるのです。
学童に希望しても定員があり、入れないことがあります。
令和4年の学童への待機児童数は、全国で15,180人。令和3年の13,416人と比べて、1,764人増加しています。
都道府県別では東京都(3,465人)、埼玉県(1,554人)、千葉県(1,179人)で全体の約4割を占めています。
<参考サイト>
●令和4年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況
東京都では、学童に入れない待機児童は、市区町村によって差があります。
例えば、待機児童が多い市区町村に
●葛飾区328人
●練馬区292人
●足立区262人
が挙げられます(令和5年5月時点)。
しかし一方で、世田谷区、品川区、千代田区では待機児童ゼロになっています(令和5年5月時点)。
<参考サイト>
●東京都 放課後児童健全育成事業(学童クラブ事業)実施状況(令和5年5月1日現在)
東京都では2024年度、認証保育園を活用して待機児童受け入れのモデル事業を始める予定です。
※認証保育園とは、東京都独自の保育園設置の基準を満たした保育園のこと。
定員に満たない認証保育園の空き枠に、放課後の児童を受け入れるという仕組み。
例えば、認証保育園の定員が10人で、8人の未就学児を受け入れている場合、2人分の空き枠があります。ここに、学校が終わった児童を受け入れるという方法です。
認証保育園であれば、夏休みなど長期の休みでも子供たちの受け入れができます。
東京都では2024年度に5千万円の予算を組んで、モデル事業を始める予定です。
学童に入れなかった子供たちを預かることで、小1の壁が低くなり、親は仕事を継続することができます。
<参考サイト>
●東京都予算案の概要
場所の確保だけでは、解決できない問題もあります。
小学校1年生の子どもたちは、自分の意思表示ができます。
「楽しくないから行きたくない」
「お友達がいないなら、行きたくない」
特に、学年が上がるにつれて、このように訴える児童は多くなります。
子どもたちが「行きたい」と思える居場所になるよう、子どもの視点からも考えることも大切ですね。
この記事では、2024年度からはじまる東京都の認証学童クラブ制度をご紹介しました。
モデル事業としてこれからスタートするので、ますます注目が集まりそうですね。