授業や宿題でパソコン・タブレットを使うデメリットって何?~解決のためのヒント~

issuesの高松です!

「学校の授業や宿題でパソコンを使うデメリットは?」

GIGAスクール構想で児童生徒1人に1台パソコンやタブレットが支給されています。

・調べ物がしやすくなった
・クラスメートと協力してレポート作成しやすくなった
などメリットはたくさん!

しかし一方でデメリットも指摘されています。

この記事では、児童生徒が日常的にパソコンやタブレットを使うことでどのようなデメリットがあるのか、またその解決策についてまとめました。

 

健康上の問題が起こるリスク

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パソコンやタブレットを長時間利用したときに現れる症状に、VDT(Visual Display Terminal)症候群があります。

どのような症状がでるのか代表的な症状を4つご紹介します。


ドライアイ

ドライアイは角膜が傷ついて、目がゴロゴロや痛みなどの症状が現れます。

角膜は乾燥で傷つきやすいため、まばたきで乾燥を防いでいます。

しかし、タブレットやパソコン画面を見続けると、通常は1分間で20回ほどのまばたきが、4分の1の5回程度にまで減少するという報告も。

ドライアイを防ぐためには1時間画面を見たら15分程度目を休ませてあげたり、大人が児童生徒にまばたきを促すような声かけが有効です。

視力低下

パソコンやタブレットの画面を至近距離で見続けると、視力が低下すると言われています。

それは、目の筋肉が凝り固まってピント調節する力が弱くなるから。

パソコンやタブレット操作の間に遠くを見る時間をとったり、目の周りを温めて筋肉の血行を良くしてあげることも有効です。

姿勢の悪化

パソコンやタブレットを使う姿勢が悪いと、腰痛や肩こり、首の痛みなどが起こります。

人の首は緩やかなカーブになっていて、頭を支えています。悪い姿勢で画面を見続けると首が直線になり、様々な場所の筋肉に負荷がかかるように。

パソコンやタブレットは正しい姿勢で使うよう大人からの声掛けや、こども自身が姿勢を意識できるよう健康教育が大切です。


精神面での影響

パソコンやタブレットの使用時間が長くなると、かんしゃく、ストレス、ネット依存などの精神面で影響があると言われています。

使いすぎに注意!スマホの使用による健康への影響│静岡県磐田市

「文章を作る能力」が低下するリスク

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パソコンやタブレットの使用頻度が増えると、コピー&ペーストが多用されて一から自分で文章をつくる機会が減ることが懸念されています。

文章を自分で作る能力は社会に出てからも必要です。

文章を作る力を落とさないために、調べたことを自分の言葉にして文章をつくる時間も必要になってくるかもしれません。

鉛筆で文字が書けない、考えずに答えを選ぶ‥‥ 急速に進むデジタル学習に高まる現場と保護者の不安│東京新聞 2023

教員の負担が減らない可能性がある

パソコンやタブレットを導入すると、教員にはそれに付随した業務も発生します。

例えば、
・端末の操作方法を児童生徒に説明する時間
・端末を教員が使いこなせるように自らが学ぶ時間
・児童生徒の端末に不具合があった際の対応
・パソコンやタブレットで学習するための教材づくり

ICTをサポートする人材確保や、教員の負担軽減のための具体的解決策を検討する必要があるかもしれません。

【ICT 教育のデメリットと課題】先生・教育関係者の現場視点から考える解決方法を紹介 | ClassPad.net 


読解力が落ちる?教育の場での脱ICTを目指すスウェーデンの事例

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教育先進国と言われてきたスウェーデンでは、日本より早く学校の授業にICTを導入してきました。

しかし今、従来の紙とペンの教育方法に戻ろうとする動きがあります。

その理由は読解力の低下です。

小学4年生の読解力に関する国際的な評価「国際読解力調査(PIRLS)」で、2016年から2021年の間に特にポイントを下げています。

読解力の低下の一因がICT教育にあると考え、紙とペンを使う授業の時間を増やしています。

日本ではPISA2022で読解力はOECD加盟国2位という結果に。

読解力が低下した事例を考慮しながらも、パソコンやタブレットを使っても読解力を落とさない方法を今後も模索していく必要がありそうです。


IT先進国スウェーデン、学校で「紙と鉛筆のアナログ教育」に戻る計画を発表 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD 2023 

PISA2022のポイント│国立教育政策研究所 2023

 

パソコンやタブレットと上手く付き合う

この記事では、児童生徒がパソコンやタブレットを使うデメリットを中心にご紹介しました。

物事にはメリットだけでなく、デメリットの側面も必ずあります。デメリットは決してだめなわけではなく、どうしたらメリットになるか、これから検討が必要になりそうです。

ぜひお住まいの自治体での参考にしてみてください!