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地域の消防団員数が減少し、入団者数も激減しているという課題に直面していませんか?消防団員減少を解決するためには、女性や若者が興味を抱いてくれるPR戦略がカギといえるでしょう。この記事では、京都府京都市や福岡県福岡市、広島県府中町など西日本各地で実施されている、先進的な消防団の充実強化事例を紹介します。各自治体がどのようにして新たな団員を確保し、消防団の活動を活性化させているのか、具体的な取り組みを解説します。ぜひ最後までお読みいただき、皆様の自治体における消防団員確保や活動の充実に役立ててください。
京都府京都市では、消防団の入団促進を目的として、LINEを活用した「消防団面談申込フォーム」の整備を行っています。この取り組みは、幅広い世代に利用されているLINEを活用することで、入団手続きの利便性を高めることを主な目的としています。
具体的な取り組み内容としては、LINE公式アカウントを開設し、消防団に入団するための面談申込みができるフォームを設置しました。直接電話をかけることに抵抗がある人でも、気軽に面談の申込みが可能になりました。消防団や消防局の関連情報サイトへのリンクや、SNSやPR動画のリンク先も表示されるため、利用者は多角的に消防団について学べます。
実際の成果として、運用開始からわずか3カ月で13名の面談申込みがあり、そのうち8名が入団手続きを完了。申込み者からは「直接電話連絡するのは気が引けたが、LINEを通じて情報を得たり面談申込みができることで心理的ハードルが下がった」という声がありました。
京都市の取り組みは、消防団への関心を高める成功例となっています。今後もデジタルツールを活用した柔軟なアプローチが求められる時代において、他地域への参考となる取り組みと言えるでしょう。
https://volunteer-fire-corps.city.kyoto.lg.jp/
福岡市では、特に若年層における消防団の活動に対する認知度が低いという問題を抱えていました。若年層が情報を得る手段としてSNSが主流となっている現状を踏まえ、活動内容を紹介する広報動画をSNSを通じて発信する取り組みを始めました。
動画は短時間で情報を伝えられるよう設計されており、アニメーションのデザインやナレーターに消防団員を起用することで、地域住民に親しみやすい内容となっています。さらに、市の公式動画サイトやデジタルサイネージでも動画を放映し、幅広い世代に対して効果的な広報を実施しました。
SNSに定期的に投稿することで、消防団の活動を継続的に目にする機会が提供され、地域住民の関心を引くことに成功しています。特に若年層からは消防団の活動に対する理解が深まり、入団希望者が増加するという成果が見られました。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/syobo/shobodan/shobodan/hukuokashisyouboudankouhoudouga.html
府中町では、全国的に著名な漫画家であり、府中町PR大使である田中宏氏とのコラボレーションを実施。田中氏のイラストを活用したコラボグッズでPR活動を展開することで、消防団の認知度を高め、加入促進や団員の士気向上を目指しました。
具体的には、ラッピング車両を使った広報活動や、各種行事へのグッズ配布、公共施設へのポスター掲示、団員全員に名刺を配布しての広報活動など、多岐にわたるPRを行いました。同時にSNSでの積極的な情報発信や動画作成などにも取り組み、デジタルとリアルの両面からアプローチを行っています。
このコラボによって、SNSのフォロワー数やいいね数の増加、問い合わせ件数の増加など、短期間で具体的な数値での成果が確認されました。ほかの自治体や消防団からも多数の問い合わせが寄せられるようになり、その注目度の高さがうかがえます。
団員自身も、自分たちの活動が広く認知されることにより士気が高まり、自発的にPR活動に取り組む姿勢が見られるようになりました。
https://www.town.fuchu.hiroshima.jp/site/firefighting/39661.html
岡山県では、プロサッカーチームのファジアーノ岡山と連携し、消防団員の確保・拡充を目指す取り組みを行っています。特に女性や若者などのターゲット層に対し、消防団の活動を正しく理解し興味を持ってもらうための取り組みに注力しています。
2022年にはファジアーノ岡山のホームゲームにおいて、スタジアム周辺に消防団PRブースを出展しました。このブースでは心肺蘇生法の体験や消防車両の展示を行い、リーフレットなどの啓発物品を配布し、消防団に関するアンケートも実施。また県内の女性消防団員とファジアーノ岡山の選手が出演する消防団員募集動画を制作し、ホームゲームのハーフタイムに大型ビジョンで放映し、県公式YouTubeチャンネルにも掲載しました。
この連携によって、女性や若者などのターゲット層に対し、消防団の活動を広くPRできました。消防団員の確保・拡充を図るためには、継続的かつ多角的な取り組みが必要です。消防団の活動を広く知ってもらい興味を持ってもらうための一助として、ほかの地域でも参考になるアプローチ方法でしょう。
https://youtu.be/gnqh5xxy77U?si=EkngckOcwV8YOpNs
新規入団者の減少に対処するため、宮崎市消防団はテレビCMや映画館CM、屋外広告ビジョンなど、さまざまな広報媒体を活用して入団促進PR事業を展開しています。若者や女性の呼び込みだけでなく、幅広い層に消防団への関心を持ってもらい、PR活動の土台を築くアプローチを取っています。
実際の成果として、消防団員の退団防止に一定の効果が見られ、また在籍する消防団員やその家族がPR動画を視聴することで、モチベーションの向上や家族の理解が深まり、消防団全体の活性化にもつながりました。
特にテレビCMの反響は大きく、メディアからの取材や消防団に対するポジティブな意見の増加など、認知度やイメージアップに貢献しました。一連の広報活動は、消防団の存在とその重要性を市民に再認識させる効果が認められ、今後のPR活動への相乗効果が期待されています。
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/life/fire_department/emergency/1167.html
大分市では、若い世代に消防団の意義や役割を理解してもらうため、WEBメディアを用いた新しい広報事業を展開しています。この取り組みは、消防団の活動を「見える化」することで、若者が入団を検討しやすくすることを目的としています。
まずは若者にとって見やすいWEBサイトの制作に着手しました。柔らかい印象を与えるデザインと分かりやすい表現によって、入団に対するハードルを下げる狙いをもって制作されました。サイトでは消防団の活動や組織の紹介に加えて、普段の様子や環境がわかるPR動画も制作され、消防団の魅力を視覚的に伝えられるように設計されています。
具体的な成果として、入団フォームの閲覧回数は1万回を超え、実際に20人が入団を決めました。WEBサイトとPR動画が若者に対して効果的に働いた証拠です。消防団の活動をより多くの人々に知ってもらうためには、届けたい層に適したメディアとコンテンツの選択が重要なことを示す事例となりました。
https://www.oitacity-shobodan.com/
名古屋市では、消防団員募集のための啓発物品の作成や配布に、大学生に積極的に関与してもらうことで効果的な広報活動を実現しています。大学生の斬新なアイデアを活用することで、同世代の若者たちが消防団を身近に感じやすくなり、関心を持ってもらえるようになった効果が認められています。
例えば、大学生がデザインしたクリアファイルを作成し、大学祭や各種イベントで配布。多くの市民が喜んで受け取ってくれ、その後も日常的に使用してもらえている様子がうかがえます。消防団の認知度が向上し、加入促進にも大きく寄与しました。
スマートフォンアプリ内にも大学生と共同で作成した消防団募集バナーを掲載することで、広く市民に対して消防団員募集の広報を行いました。より多くの若年層に情報が届き、効果的な啓発活動となりました。
加入促進活動の結果、名古屋市の大学生消防団員の数は、2022年4月1日の時点で82名だったのが、2023年2月1日には136名に増加しました。この大幅な増加は、大学生との連携による普及啓発活動の効果を物語っています。
若年層のクリエイティブなアイデアを取り入れることで、従来の方法では届かなかった層にアプローチでき、消防団の認知度と加入率の向上が実現されました。
https://www.instagram.com/nagoya_shobodan.univ/
この記事では、京都府京都市や福岡県福岡市、広島県府中町など、西日本各地で実施されている、先進的な消防団の充実強化事例を紹介しました。消防団は地域の防災力を支える重要な存在であり、その活動は地域の安全を守る上で欠かせません。消防団は地域の住民との緊密な連携によって、消火活動や災害時の救助活動など、多岐にわたる任務を遂行しています。
これらの事例を参考にして、地域の消防団を充実させるための具体的な施策や取り組みを検討してみてください。特に、女性や若者が活躍しやすい環境づくりや、地域住民との連携強化などが重要です。ぜひこの記事を参考にしていただき、皆さんの地域での消防団の活動がより活発になり、地域の安全・安心を守る一助となることを願っています。
【参考資料】
https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/torikumi-jirei/field_01.html
https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/torikumi-jirei/field_06.html