issuesの高松です!
スウェーデンは世界でも男性の育児休業取得率が高く、その取得率は90%!
対して、日本の父親の育児休業取得率は17%(2022年)という結果が。日本政府は2025年までに30%を目標に掲げており、この目標達成に向けて、2022年から産後パパ育休制度を推し進めています。
※産後パパ育休は、2022年の育児・介護休業法の改正によって施行された育休制度です。 子が生まれてから8週間以内に、最大で4週間の育休を2回に分割して取得できます。
この記事ではスウェーデンの男性が育児休業を取りやすい仕組みについてご紹介します。
スウェーデンは世界経済フォーラムが発表するジェンダー・ギャップ指数で、 146か国中 第5位(2024年)でした。
ジェンダー・ギャップ指数とは、「経済」「教育」「健康」「政治」の各分野のデータをウェイト付けして算出しています。 0は完全不平等、1が平等を示していています。
スウェーデンの指数は0.816。この指数が導入されて以来、世界で5位以内をキープしています。
一方日本は118位で、ジェンダー・ギャップ指数は 0.663。日本は男女平等の実現に向けて、さらなる取り組みが必要であることがわかります。
スウェーデンには両親休業と呼ばれる育児休業制度があります。
子ども1人につき、最長480日取得できます。 そのうちそれぞれ90日が母親と父親に割り振られていて、相手に代わって取得することはできません。
この制度により30代男性の90%、40代男性の93%が両親休暇を取得しています。
なぜそんなに取得率が高いのでしょうか。
それは、国の法律で父親が3ヶ月は取得しないと、その分の休暇が消滅するという決まりがあるからです。
休業中の賃金保証もあり、経済的な心配なく育児に専念できる制度が整っています。
スウェーデンの有償の育児休業の日数は480日です。
最初の390日間は給与の約80%、1日あたり最高946クローナが保証されます。
※1クローナは日本円で約15円(2024年7月4日現在)
残りの90日間は定額で、1日180クローナと低くなります。
両親手当は、スウェーデン政府の社会保証の支出の中で3番目に大きな割合(2020年時点)を占めています(その他の給付・支払を除く)。
両親休業では90日という割り振りがありますが、実際は6ヶ月以上取得する父親が多いです。
内閣府の「令和 2 年度少子化社会に関する国際意識調査報告書」から、30代男性をピックアップしてみます。
スウェーデンの場合、
・取得していない 10.4%
・2週間未満 6.4%
・2週間~1か月未満 10.4%
・1か月~3か月未満 10.4%
・3ヶ月〜6ヶ月未満 20.8%
・6か月以上 41.6%
と、6ヶ月以上の父親が半数近くいます。
職業や職場の理解などの要因で、長期間の取得が難しい父親もいますが、全体的には取りやすい環境が整っています。
一方日本の場合、30代男性で比較すると、
・取得していない 74.8%
・2週間未満 21.6%
・2週間~1か月未満 0%
・1か月~3か月未満 1.8%
・3ヶ月〜6ヶ月未満 0%
・6か月以上 1.8%
日本では取得していない人が圧倒的に多く、取得しても2週間未満が多い現状です。
なお、この調査以降、日本でも育児休業の取得を促進する様々な取り組みが行われていますが、スウェーデンとの差は依然として大きいのが現状です。
スウェーデンの全育児休業日数に占める男性のシェア率は、2021年で約30%です。女性が約70%と女性の取得日数が多いという結果が出ています。
男女平等と言われるスウェーデンでも、まだまだ全育児休業日数という部分では差があるようです。
スウェーデンの全育児休業日数に占める男性のシェア率は、2021年で約30%です。
一方、女性が約70%を占めており、女性の取得日数が多いという結果が出ています。
男女平等の先進国と言われるスウェーデンでも、育児休業の取得日数において依然として男女差があることがわかります。
この記事では、スウェーデンの男性の育児休業取得率が取りやすい理由をご紹介しました。
スウェーデンにも男性の全育児休業日数を増やすという課題がありますが、育休先進国として日本が学べる点は多いでしょう。
ぜひ自治体での政策作りの参考になさってみてください。
<参考文献>
イクメンプロジェクト
「令和 4年度雇用均等基本調査」の結果概要 │厚生労働省 2023
男女共同参画に関する国際的な指数│男女共同参画局 2024
「男性育休先進国スウェーデンの実践的な取り組み」│日本女子大学 現代女性キャリア研究所 2023
スウェーデン王国 (Kingdom of Sweden) 社会保障施策 │厚生労働省
ノルウェーとスウェーデンに おける「パパ・クオータ」の意義│連合総研 2019
第2節 少子化と家計経済│内閣府 2022