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発達障害児を地域で支えたい~2つの自治体の事例~

作成者: 高松陽子|2024/02/29 4:36:00

発達障害の子どもたちに、自治体としてどんなサポートができるか知りたい。

発達障害と診断された子どもたちには、その子の特性に合わせた支援が必要です。

この記事では、発達障害のこどもたちに自治体独自の支援を取り入れている事例2例をご紹介します。

最後までお読みいただくと、お住まいの自治体での支援のヒントになりますよ。

発達障害の子どもたちが支援を受けられる場所

通所(障害児通所施設)

通所とは、発達障害の子どもたちが自宅から施設に通って支援を受けられる施設のことです。

例えば、児童発達支援センターや児童発達支援事業所は、主に未就学(〜6歳)の子どもたちが通います。

6歳から18歳までの子どもたちは、放課後デイサービス。学校が終わったあとや、学校が休みの日に利用できます。

生活に必要な能力や、人との関わりなど、その子どもの特性やペースに合わせて学ぶことができます。

●障害児通所支援について

通級(通級指導教室)

通級とは、小学校、中学校、高等学校などで、通常の学級での学習や生活に参加できるものの、一部で特別な指導を必要とする児童生徒に対して、障害に応じた指導を支援するもの。

令和元年に厚生労働者が、小学校から高校までの通級に通う児童生徒の数を調べたところ、約13万4千人が利用していました。

平成30年が約12万3千人だったことから、必要とする児童生徒が増えています。支援する教員の確保も課題になっています。

●令和元年度 通級による指導実施状況調査結果について

【東京都日野市】教育も福祉の間の情報共有を密にする取り組み

東京都日野市では、発達や行動、学校生活で支援が必要な子どもたちをサポートするため、教育と福祉が協同し、切れ目のない支援体制を整えています。

日野市発達・教育支援センターが中心となり、日野市独自の「かしのきシート」を活用しています。

通常であれば、教育は教育、福祉は福祉で、成長やサポート内容を記録するもの。

かしのきシートは、教育も福祉も同じフォーマットで記録を残すことで、過去の出来事も共有できるようにしています。

保護者の同意の上で保管し、学校や施設などで必要なときに情報を共有。特に、関係者が多く関わる小学校、中学校、高校への移行支援で役に立ちます。

●「エール」 日野市発達・教育支援センター

●特別な支援を必要とする子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制整備

【大阪府】府立高校に通級を設置して、高校生活を支援

大阪府府立高校では、府立高校に通級を設置して、発達障害のある子どもたちを受け入れています。

発達障害の子どもが高校に進学すると、普通学級か、特別支援学校に通うのが一般的です。

大阪府では府立高校11校で、通級による指導をうけられるようにしました。高校進学の選択肢が広がることで、進学への不安も軽減されます。

さらに教員向けのガイドブックも制作し、教員が知りたい情報を得られるようにしています。

●大阪府立高等学校における通級による指導について

発達障害の子どもたちが生活しやすい環境づくり

この記事では、東京都日野市の教育・福祉との連携、大阪府の府立高校での通級を設置した事例をご紹介しました。

発達障害の子どもたちにはそれぞれの特性に合わせた関わりが必要です。地域の中で育つためには、自治体の関わりも欠かせません。

ぜひお住まいの自治体で参考にしてみてくださいね。