□地域の防災対策を強化するため、デジタル技術の活用を考えている
□防災アプリを導入したいが、どのように開発を進めればよいか分からない
このようなお悩みはありませんか?
防災アプリの導入を成功させるには、地域の特徴に合わせてカスタマイズしたり、住民の声をヒアリングしながら実運用までに実証試験を繰り返したりすることが大変重要です。
本記事では、
■防災アプリ導入3つのメリット
■アプリ導入事例 ~会津若松市「デジタル防災」~
■防災アプリ導入における注意点
について紹介します。
災害対応経験のある自治体の防災アプリ事例を知っておくことは、より実効力のある防災アプリを開発するのに役立つことでしょう。ぜひ最後までお読みください。
防災アプリを導入することでもたらされるメリットは主に3点です。
災害発生時に地震や気象情報などの防災情報がリアルタイムで通知されるため、いち早く最新の災害状況を把握でき、身の安全を確保することができます。
災害により電話回線やサーバーが使えない状況に陥っても、防災アプリの通信網を利用して災害状況や避難所情報を発信できるため、住民の安全を確保することができます。
※オフラインでの使用可否は、防災アプリの仕様により異なります。
オプトイン(本人の同意)に基づき提供された位置情報等を活用することで、リアルタイムでの安否確認や避難誘導が可能になります。
危機的状況であっても最新の災害情報をリアルタイムに発信できるようにする、また一人ひとりに合った防災サービスを提供するにあたり、防災アプリは心強い存在となるでしょう。
会津若松市では、デジタル技術を活用した市民生活の利便性向上と、ICT産業集積を同時に実現するため、2013年より「スマートシティ会津若松」を推進しています。
そのうち、防災プロジェクト事業の一環として、2023年3月22日より、位置情報などを活用した「デジタル防災」アプリの提供を開始しました。
このアプリのユニークな点は、通常の災害アプリに加え、災害時に支援が必要な市民へ向けた機能提供も行っている点。「誰一人取り残さない」防災サービスの実現を目指しています。
・自分や家族に最適な防災用品を設定
・防災マップで危険箇所や避難先を確認
・災害情報を通知
・防災マップで避難ルートや避難所開設状況を確認
・安否情報を家族に共有
・災害時に弱者となる要支援者・介護者等の迅速な避難状況の把握、避難所生活のサポート
・在宅ケア支援アプリ「ケアエール」との機能連携
・支援者が要支援者の安否情報を把握、リアルタイムで要支援者とコミュニケーション
【参考資料】
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/article?articleId=635f504456af08127f35a088
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2023072400026/files/bousai.pdf
会津若松市の「デジタル防災」アプリの実証実験の結果から見いだされた課題として、「アプリ利用意向はあるが、個人情報提供に不安を感じる」という住民の意見が挙げられました。
一人ひとりに合った防災サービスの提供のためには、オプトイン(本人の同意)に基づき提供された位置情報等を活用することが重要です。そのため、個人情報の取扱いに関する不安を払拭していく取り組みを続けていくことが、防災アプリ導入を成功させるにあたり大切なポイントとなるでしょう。
【参考資料】
https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001600957.pdf
https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/content/001493008.pdf
本記事では、会津若松市の事例をもとに、防災アプリ導入のメリットや注意点についてご紹介しました。
実効力のある防災アプリ導入のヒントとして、ぜひご活用ください。