「こども誰でも通園制度(仮称)」本格実施に向けた取り組み
- 子どもの育ちを応援したい
- 子育て家庭へのサポート施策を検討している
このようなお考えはございませんか?
本記事では、
- 「こども誰でも通園制度(仮称)」の概要
- モデル事業の状況
- 制度の本格実施に向けた課題
について紹介します。
こども誰でも通園制度(仮称)の概要
「こども誰でも通園制度(仮称)」とは、月に一定時間までの利用可能枠内で、就労要件を問わず時間単位などで柔軟に利用できる、国が新規検討中の通園給付制度をさします。2025年度には「子ども・子育て支援法」にもとづく事業として制度化し、2026年度から全国の自治体で制度を実施できるよう、検討を進めています。制度の意義と、本格実施に向けたスケジュールは下記のとおりです。
<制度の意義>
①こどもが家庭以外で異なる経験や人と関わる機会を創出
②孤立感、不安感を抱く保護者の負担感軽減
③こどもと保護者の関係性に良い効果(保育者による伴走)
④制度利用のアクセス向上(給付制度)
⑤支援が必要な家庭の把握(自治体が利用状況を把握可能)
<本格実施に向けたスケジュール>
2023年度 複数自治体でのモデル事業の開始
2025年度 法律上制度化、実施自治体の拡大
2026年度 法律にもとづく新たな給付制度の実施
モデル事業の状況
制度の本格実施に向け、各自治体の協力のもと、保育所の空き定員などを活用した未就園児の定期預かりモデル事業を進めています。各自治体での具体的な実施状況を一部紹介します。
<モデル事業の例>
①長崎県東彼杵町
- 人口1万人に満たない地域での実施だが、近隣自治体からの広域利用ニーズが高い
- 子育て支援室を併設し、一時預かり事業やモデル事業への促しを実施
- 積極的な保育士確保対策(広報、借り上げ宿舎)により、保育士も預かりスペースも余裕があるため、希望者は全員受け入れ予定
②岐阜県岐南町
- 休園になった保育所を活用し、「多機能型地域子ども安心センター」を開設。モデル事業も実施
- 定員の空きが少ないため、要支援家庭やハイリスクを抱える母子などを対象にしている
③東京都品川区
- 小規模保育事業所で、要支援家庭などに特化し受け入れ
- 保健センターと連携し、要支援家庭などの円滑な事業利用につなげている
制度の本格実施に向けた課題
制度の本格実施に向けた課題抽出のため、保護者と保育者に向けてアンケートを実施しました。アンケートで得られた意見について紹介します。
モデル事業を利用した保護者の意見として、
- 自分の時間が持てた、用事を済ませることができた
- 園の先生からこどもの様子を聞くことで、新たな気づきを得られた
- こどもが新しいことに取り組む機会が増えた
など、制度に対する好意的な意見があげられました。
モデル事業を行った保育者の意見としては、
- ふだん保育を利用している家庭以外にも、地域の子育て支援に関わることができる
- 同年齢・異年齢のこども同士で関わり合う機会を得ることができる
といった好意的なコメントが得られた一方で、
- 普段の保育に加え、モデル事業のこどもの対応にかける時間や労力が増えた
- 通常保育に比べ、こどもが環境に慣れることが難しい
といった、本格始動に向けて解決すべき課題が浮き彫りになりました。
すべての子どもの育ちを応援し、良質な成長環境を
本記事では、「こども誰でも通園制度(仮称)」の概要、モデル事業の状況、本格実施に向けた課題について紹介しました。子育て家庭へのサポート施策立案のヒントとして、ご活用ください。
【参考資料】
https://www.cfa.go.jp/councils/daredemotsuuen
https://www.cfa.go.jp/councils/daredemotsuuen/38XFPZ8w