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分煙では足りない。全面禁煙+卒煙支援で住民健康と財政を同時に守るには?

作成者: 佐々木健|2025/09/18 7:57:53

8月に開催させていただいた、官民共創勉強会「医療費削減への予防医療は卒煙から」

今回は、時間がなく勉強会に参加できなかった議員様に向けて、勉強会の内容を簡単な記事にまとめさせていただきました。
住民の健康と自治体財政を同時に守る——「卒煙」は、効率よく医療費を削減できるだけでなく、密接に住民の健康に関わっています。

昨今の一般質問などでは分煙対策が取り上げられることが多い一方、新しい視点が見れたウェビナーではないなかなと感じました。是非最後までご覧ください。

今回のウェビナーの要点

  • たばこは予防可能な最大の死因。日本では年間約14.3万人が喫煙関連で死亡、医療・介護・火災等の社会的損失は2兆500億円/年にのぼります。

  • 全面禁煙の環境整備+卒煙支援が最小コストで最大の健康便益。1本/日でも心疾患・脳卒中リスクは有意に上昇するため、“本数を減らす”では不十分です。

  • デジタル卒煙プログラムは完全オンラインの提案大阪市や豊中市などで実装・成果が公表されて住民からの喜びの声が上がっていますいます。大阪市公式サイト+1

講師のご紹介

今回の官民共創勉強会では、講師は株式会社CureApp 代表/医師 佐竹晃太 氏をお招きして行わせていただきました。(治療アプリ領域の第一人者、日本スタートアップ大賞2023「審査委員会特別賞」受賞企業)。経済産業省

なぜ今「卒煙」か

喫煙による健康に関する情報をわかりやすくまとめると以下の通りです
  • 健康影響は圧倒的:たばこ煙には5000の化学物質、70種類以上の発がん物質。CDC

  • 死亡・財政への直撃:日本の喫煙関連死亡は約12.8万人/年、うち受動喫煙でも約1.5万人/年

  • “少しならOK”は誤解1本/日でも冠動脈疾患RR 1.48、脳卒中RR 1.25(男性)。20本/では冠動脈疾患RR  2.04、脳卒中RR 1.68(男性)となっており発症のリスクはいずれにせよ高いです。

  • 加熱式たばこの扱い:有害物質の量が少ないからといって、引き起こされる健康被害への
    リスク・有害性が軽減されるとは言いきれない一般社団法人喫煙学会
    三次喫煙(衣服・家具等に残る残留物)も健康懸念が指摘されています。 日本呼吸器学会の見解と提言

住民の「やめたくてもやめられない」にどう向き合うか

質疑応答のお時間では、やめたいのにやめられない。こういった方へのアドバイスをどうしたらいいかなどが議論されました。
  • 依存は“意志の弱さ”ではなく病態。身体依存(離脱症状)と心理依存(習慣・トリガー)を両面で支援する設計が必須となってくる

  • 対話と共感が起点:データの“押し付け”は反発を生む。本人の内的動機(家族・仕事・体調)を引き出す動機づけ面接が有効とのこと。

 

自治体の実装例

自治体にとってのメリット

  • 公平性:通院困難層・若年層を含めてオンラインで機会保障。地方だから通院が難しいといった問題も解決に向かうのではないかと推察されます。

  • 費用対効果短期の健康行動変容中長期の医療・介護費抑制へ。SIB等の成果連動で財政リスクを抑制可能です。豊中市公式サイト

  • 広報資産:「健康都市」「子育て世帯にやさしいまち」として実績をPRしやすいテーマになることが考えられます。

 


まとめ

  • 「卒煙」は科学的根拠が厚く住民の納得と行政の合意を得やすいテーマ。対立を最小化しつつ確かな便益を積み上げられます。

  • 導入はスモールスタート→検証→拡張が鉄則。SIBや企業健保連携も合わせて、リスクを抑えて成果を可視化しましょう。

 

自治体での禁煙対策の相談を行なってみませんか?

現在、issuesでは今回のウェビナーにご協力いただいたCureAppのご担当者の方に自治体の禁煙対策のご相談が誤別でできる機会を設けております。

規定枠が終わり次第終了となりますので、住民の健康増進や医療費の抑制などに取り組んでいきたい議員の皆様は是非この機会にご活用いただけますと嬉しく思います。

個別面談のお申し込みはこちらをクリック!

 

 

 

参考リンク