先日、issues官民共創勉強会にて、「子育て世代・地域経済・自治体財政 三方よしの子育て支援とは?」をテーマとしたオンライン勉強会が開催されました。
本勉強会では、講師として株式会社iiba代表取締役CEOの逢澤 奈菜氏が登壇しました。
主催のissuesは官民共創の促進を目的とし、議員の皆様へ先進事例の共有や学びの機会を提供する中立な立場として本レポートをお届けします。
このレポートでは、ご多忙のため勉強会にご参加いただけなかった地方議員の皆様へ、申請主義(プル型)支援の限界と子育て世帯の孤立に関する社会課題にフォーカスした当日の主要な内容を、具体的な事例と質疑応答の内容を踏まえてお伝えします。
子育て世帯を取り巻く環境において、行政からの支援が十分に届いていないという構造的な課題が存在します。
自治体が抱える情報発信の課題について、大阪府守口市の事例が共有されました。
情報の未達を解決するため、住民が動かずとも支援が届く「プッシュ型」への転換が国内外で進んでいます。
行政の情報を、住民が日頃利用する場所に配置する具体的な解決策が提示されました。
質問:デジタル化やSNS活用に伴う、情報漏洩や個人情報流用の懸念はないのか。
回答:国や自治体のガイドラインに従い、機密情報の取り扱いや住民への直接入力禁止等の規定を遵守している。マイナンバー連携等に際しても、デジタル庁等のセキュリティ基準をクリアした社内体制を構築し、安全を担保した上で事業を展開している。
質問:既存のマップアプリ(「いこーよ」等)やプッシュ型サービス(「母子モ」等)との違いは何か。
回答:最大の強みは、ユーザー自身が情報を投稿するUGC(住民の声)で地図が構築される点と、Instagram等のSNSと連携している点である。また、母子手帳アプリ等は乳幼児期を過ぎると利用率が低下する傾向があるが、マッププラットフォームは遊び場だけでなく保育園等の日常的な検索にも使われるため、長期的な利用が見込める。
質問:安心して出産・子育てをするための環境づくりや、孤立解消に向けた工夫は何か。
回答:物理的支援(時間貧困への対応)、精神的支援(地域コミュニティとの繋がりや街全体の歓迎姿勢)、経済的支援(制度活用による負担軽減)の3点が必要である。デジタルマップ上でキッズフレンドリーな施設や支援情報を可視化することで、街全体が子育て世帯を歓迎しているというメッセージを発信し、精神的な孤立の解消を図っている。
質問:京都府の事例における利用率や導入効果の数値はどの程度か。
回答:具体的な精緻な数字は個別共有となるが、サービスリリース後1ヶ月で約2割のユーザーに情報が届き、その後も成長を続けている。また、京都府の三条会商店街との連携事例では、キッズフレンドリー施設の参加店舗数が1ヶ月で26店舗から52店舗へと倍増した実績がある。
質問:イベント情報について、個人事業主や地域商店会からの発信、および広域での利用は可能か。
回答:全て可能である。自治体がリストを持つ場合はシステムで自動更新でき、地域の事業者も個別の管理画面からイベント情報を発信できる機能を提供している。また、住民は市境などをあまり意識しないため、都道府県と市区町村が連携する広域での活用事例も既に存在している。
今回の勉強会では、従来の申請主義(プル型)における情報未達の構造的課題と、プッシュ型支援への転換の重要性が具体的なデータとともに示されました。
紙媒体の行政情報をデジタルマップ化し、住民が日常的に利用するSNS等のプラットフォームへ展開することは、多忙な子育て世帯の利便性を高めるだけでなく、行政の不用額や事務コストを削減する効果を持ちます。
これら「子育て世代」「自治体財政」「地域経済」の三方よしを実現する仕組みづくりは、今後の地方自治体における地域課題解決において、大いに参考となる事例と言えます。
自治体規模に応じた具体的な対策シミュレーション
皆様が活動されている自治体の地域特性や予算規模に合わせた、より具体的な先進事例の共有と課題解決の無料相談会(ミートアップ)を実施しています。
個別相談をお申し込みいただいた皆様には、本勉強会のアーカイブ動画を共有いたします。
動画を事前にご覧いただき、あらかじめ自治体の担当課と地域の現状や課題感についてコミュニケーションを取っていただいた上で相談会(ミートアップ)ご参加いただけますと、当日はより地域の実情に即した有意義な情報交換が行えます。
地域の社会課題解決に向けた具体的なステップとして、ぜひこの機会をご活用ください。
個別相談の予約リンクは以下からご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
issuesでは、今後も議員の皆様の地域課題解決の一助となるような情報発信や勉強会を実施してまいります。