こんにちは!issues(イシューズ)の藤野です。
・地域の少子化対策を講じたい
・子育て世代への福祉政策を検討したい
このようなお考えはございませんか?
本記事では、
・日本における出産費用の実態
・自治体独自の出産費用助成制度(東京都港区、神奈川県横浜市)
について紹介します。
出産費用助成の取り組み例を知ることで、自治体独自の少子化対策に向けたヒントが生まれることでしょう。ぜひ最後までお読みください。
日本では、出産に関する費用の大部分は健康保険の適用外となるため、多額の医療費がかかります。そのため出産育児一時金制度が創設され、2023年4月には、子供1人あたりの一時金が42万円から50万円に増額になりました。しかしながら、2022年度の出産費用の平均(全施設・正常分娩)は東京都で60万5,261円、神奈川県で55万864円と、出産育児一時金だけでは費用をまかなえない状況です。このような状況を打破すべく、自治体独自で出産費用を助成する取り組みが進んでおります。
東京都港区では、子育てをする家庭の経済的負担を軽減し、子どもを産み育てやすい環境を整備するため、出産費用の助成を行っています。2022年に実施した調査の結果、区内の出産費用の平均が約81万円であることが判明。そこで2023年4月に、算出上限額を73万円から81万円へ引き上げました。
出産にかかる分娩費や入院費などを、区で定める助成金算出上限額、または出産費用の実費額のいずれか低い額から、出産一時金等を差し引いた全額を助成
出産人数 |
助成金算出上限額 |
最大助成額 |
1人 |
81万円 |
31万円 |
2人(双子) |
129万円 |
29万円 |
3人(三つ子) |
177万円 |
27万円 |
※2023年4月1日以降の出産日から適用。それより前の出産日については、改正前の算出上限額73万円(双子113万円、三つ子153万円)
出産した子供の父または母で、次のすべての要件を満たす者
①保護者が出産した日以前から出産後も港区に住所があり、申請日において引き続き1年以上港区に居住していること。
②産まれた子どもも出生日から港区に住所があり、保護者と同居していること。
※ただし、外国籍の両親が海外で里帰り出産をした場合、出生後初めて日本に子どもの住民登録をした日から、申請者の住所に子どもの住民登録があり、申請日において同居していること。
③母が日本の公的な健康保険に加入していること。(母が被保険者または、父の被扶養者等)
横浜市は2024年度の予算案の発表を行い、2024年4月1日以降に出産した人を対象に、国の出産育児一時金に上乗せして上限9万円を助成する予定であると発表しました。横浜市の調査結果によると、妊娠・出産した人の84.5%が、妊娠出産にかかる費用に負担を感じていたとのこと。横浜市の公的病院での出産費用の最大値が57.6万円であったことから、出産育児一時金のうち保険掛け金を差し引いた48.8万円との差額である9万円を助成することで、公的病院の基礎的な出産費用をカバーできるようにしました。
本記事では、東京都港区と神奈川県横浜市の出産費用補助の取り組み事例を紹介しました。少子化対策や子育て家庭支援策の立案のヒントとして、ご活用ください。
【参考資料】
https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomokyufu/kenko/ninshin/shussan/jose.html
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001143706.pdf
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/zaisei/2023/r6yosanan.html