投票率改善を行っている自治体まとめ
こんにちは!issues(イシューズ)高橋です。
今日は投票率改善を行っている自治体がないか調べてみようと思います。皆さんの自治体の投票率はどれくらいでしょうか。
2021年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では55.93%、2022年7月に行われた第26回参議院通常選挙では52.05%でした。
これは世界各国の投票率と比較すると比較的低い水準のようで日本の投票率は世界192か国中184位となっています。特に若年層の投票率の低さが顕著で、若年層への選挙啓発や主権者教育の強化、選挙制度の改革や投票しやすい環境の整備など様々なことが検討されています。
そこで今回は投票率を改善するために行っているユニークな取り組みや施策についてご紹介したいと思います!
共通投票所の設置
投票日の当日、市町村内のどこの投票所でも投票できる投票所。従来の投票所制度では有権者は住民登録をしている区域の投票所でしか投票することは出来ませんでした。
しかし共通投票所制度では住民登録をしている区域に関係なく、市町村内のどこの投票所でも投票できるようになります。この制度は2016年4月に公職選挙法が改正され導入されました。共通投票所制度を導入している市町村は全国で約2,000か所にものぼり、非常に多くの自治体が取り組んでいる施策となります。
原則として市町村の中心部や交通の便が良い場所に設置されています。青森県平川市は大手ショッピングセンターに設置し投票率アップにつなげています。
共通投票所を設置するにあたっての課題
それは二重投票の防止対策です。共通投票所は期日前投票所と同様の利便性を選挙当日も享受できるものの、二重投票防止のため全投票所で選挙人名簿をリアルタイムで情報共有するなどの仕組みが必要です。各自治体工夫を凝らしているようなので詳しくはURLをご確認下さい。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000474598.pdf
脱“待ち”の投票所
福井県福井市では商業施設や大学に期日前投票所を設置し、若年層の投票率向上に成果あげているようです。期日前投票所の設置場所は商業施設からの提案を受け
- 人が集まりやすい場所か
- システムを使用するための電源があるか
- 広さは十分か
- 分かりやすい場所か
- 駐車場から近いか
といった点を踏まえて決定しています。一部の商業施設ではチラシへの掲載や館内放送での案内なども実施しており、積極的な働きかけを行っているようです。
また、平成28年の参議院選挙からは福井大学、福井工業大学にも期日前投票を設置し学生が多く集まる午前10時~午後6時までを投票時間としました。
「福井市明るい選挙推進協議会委員」を選挙コンシェルジュとして期日前投票所に配置し、投票に慣れていない学生の疑問に応えるというきめ細かい対応も実施したようです。
これらの取り組みにより平成28年の参議院選挙では前回の同選挙と比べ3.85ポイント上昇の約53.18%、期日前投票者数は倍増に近い4万2,149人と約2万人増となったようです。
子ども対象の投票キャンペーン
埼玉県熊谷市では小中学生が保護者と一緒に投票所に行くと景品が当たる「家族で投票所に行こう!キャンペーン」を実施しています。
事前に市のホームページからダウンロードできる応募チラシを印刷して必要事項を記入し、投票所に設置した応募箱に投函すれば抽選で蛍光ペンが当たるというキャンペーンでした。選挙に行けば行くほど当選確率が高くなることがポイントのようですよ。
この取り組みの狙いはキャンペーン対象者の小中学生の保護者の投票率アップ。家族で選挙への意識を高めてもらうために企画されました。
期日前投票の投票時間の弾力化
通勤者など従来の時間帯では来所出来なかった層に対して出勤前又は帰宅途中に投票を行える機会を創出することを目的に時間延長をするという取り組みです。
自治体によって様々ですが例えば大阪府大阪市生野区では午前8時30分を午前8時への30分の繰上げ、夜は午後8時を午後9時までの1時間に繰り下げるなどの取り組みを行いました。実施結果としては特に1時間繰り下げた時間帯には174人の利用があり一定の効果も見られたようです。
投票管理者の負担が大きくなることが課題の一つにあり、交替ができない投票管理者は13時間もの長丁場になり体力的な負担が懸念されます。繰上げ・繰下げの時間・人件費など様々な状況を鑑みて対応することが求められます。
投票率を改善することは結果、住民にとって民意を反映してくれる政治になることと同義だと思うので投票率の改善の取り組みは各自治体行うと良さそうですね。