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近年、地方との深い関わりを求める「ふるさとワーキングホリデー」制度が注目を集めています。この制度は、都市部に住む人々が地方での生活を体験することで、地域の魅力を深く理解してもらい、地域活性化につなげることを目的としています。この記事では、北海道岩見沢市や秋田県大館市など、全国の自治体が実施している成功事例8つを詳しくご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、ふるさとワーキングホリデーを活用した自治体活性化のヒントを見つけてください。
「ふるさとワーキングホリデー」とはどんな制度？
ふるさとワーキングホリデーは、都市部に住む方々に地方との絆を深める機会を提供する制度です。この制度では、2週間から1カ月の期間で地域に滞在しながら働く環境を提供し、地方の生活を体験できることが魅力です。
例えば農業の実践体験など、一般的な観光旅行では得られない地域の文化や生活を体験できます。この経験は参加者にとってだけでなく、受け入れ側の地域にとってもメリットがあります。
自治体は地域の理解者を増やすことができ、将来的な移住などの可能性が期待できます。受け入れ企業のメリットも大きく、農家は農繁期に人手不足に悩むことがありますが、ワーキングホリデー参加者の協力を得ることでこの課題を解決できます。農業以外の業種でも、建設業や製造業などさまざまな分野で受け入れが行われています。
ふるさとワーキングホリデーの目的は、単なる労働力の確保ではなく、地域のファンを増やすことです。地方での働き方や魅力をアピールし、参加者に地域の良さを体験してもらう施策が重要です。
北海道岩見沢市の事例
参加者への支援
- 滞在中の宿泊費（一泊につき上限5,000円）
- 滞在中の交通費全額
岩見沢市は交通の便が良く、農業が盛んな地域です。ふるさとワーホリでは、ログホテルでの業務体験や農業での収穫作業など、地域の魅力を活かしたプログラムが用意されています。
ログホテルは丸太をふんだんに使ったぬくもりのある温泉施設で、レストランと宿泊設備も備えられています。参加者は、施設内のレストランでのホールスタッフの仕事などを通じて地域の観光スポットでの業務を体験できます。
農業での収穫作業では、岩見沢市を支える主要産業である農業に触れる機会が提供されます。参加者からは「岩見沢の自然や景色についての印象が強く、新しい視点を得られた」と、満足度が高い感想を得ています。
岩見沢市役所企画室では、「住んでいる私たちにとっては何気ない日常の風景が、角度を変えるとそのように見えるのだと新しい視点をもらいました」と、ふるさとワーキングホリデーを通じた新たな気付きに手応えを感じています。
岩見沢市のふるさとワーキングホリデーは、双方にとって有意義な体験となり、地域の魅力をさらに高める一助となりました。
秋田県大館市の事例
参加者への支援
- 居住地からの移動費の一部
- 滞在中の宿泊費（上限あり）
- 受入期間中加入する旅行保険料
大館市のふるさとワーキングホリデーでは、鉄道の廃線を利用したレールバイク運営や地元食材を活用した駅弁製造、農産物販売の支援など、多岐にわたるプログラムが提供されています。これらのプログラムは、地域資源を活かした観光客の興味を引くものであり、地域の魅力を最大限に引き出すものとして策定されました。
訪れた体験者の感想は良好で、地元の人々の温かさや親しみやすさに感動し、都会では味わえないつながりを実感できたとの声が聞かれています。受け入れ側も若者の交流を通じて新たな活力がもたらされ、地域コミュニティ全体の活性化につながりました。
自治体としても、若い世代から意見をもらうことで地域の課題や可能性を把握し、地域振興に向けた戦略の構築に役立てることができました。
大館市の事例から、地域の資源や特性を活かし多様な施策を展開することで、経済やコミュニティの活性化につなげられることが示されました。
青森県黒石市の事例
参加者への支援
- 滞在中の宿泊費の半額
- 受入期間中加入する傷害保険
黒石市のふるさとワーキングホリデーは「ワーホリ黒石！」と呼ばれています。このプログラムは農業が中心となっており、りんごや野菜の栽培、加工作業などが体験できます。
ワーホリ黒石の特徴は、3つのスタイルがあることです。若者向けの「ワーキングホリデー型」から始まり、40歳前後の方を対象とした「トラベラーズワーキング型」、そして大学生向けの「農家宿泊実習型」があります。
参加者からは、広大な農地や冷涼な気候での就農体験が好評です。「普段の旅行ではできない体験ができた」「地元の人と交流することで新たな発見があった」と、黒石市の魅力を存分に味わった様子が伝えられています。都会に戻ってからもふるさと納税を通じて特産品を購入する人もおり、地域活性化にも寄与しています。
受け入れ先の農家からも「人手不足を解消できた」「来年度も事業を行うならば声をかけてほしい」との好意的な声が寄せられました。黒石市役所では、ふるさとワーキングホリデーは関係人口を増加させる効果があるとし、地域の課題解決の一助として積極的に取り組んでいく考えを示しています。
北海道弟子屈町の事例
参加者への支援
- 居住地からの飛行機代の一部（往復で上限20,000円）
- 滞在中の宿泊費（1泊につき上限5,000円）
北海道弟子屈町のふるさとワーキングホリデーでは、古き良き温泉ホテルやゲストハウスなどでの清掃や受付業務を通じて、地域の暮らしに触れることができます。地域おこし協力隊との共同作業では、地域PR動画の制作などクリエイティブな活動も含まれ、幅広い体験プログラムが特徴的です。
体験者からは、地域との関わりや交流から生まれる人間関係が最も大きな収穫だったとの感想が寄せられています。地域のイベントへの積極的な参加や地域振興活動に関わることで、参加者は地域への愛着を深めました。彼らがSNSなどで体験を発信することで地域の魅力が広く知られ、移住や転職への一助となっています。
弟子屈町ではふるさとワーキングホリデーから移住・定住へのステップも用意しています。地域おこし協力隊の隊員や先輩移住者との交流、生活関連施設の見学、就職相談など、具体的なプログラムが用意され、移住への希望を持つ人々にとって魅力的な選択肢となっています。
宮城県石巻市の事例
参加者への支援
- 参加プログラムによる
「石巻ふるさとワーホリ」では、海産物や農作物の収穫・養殖準備などのほか、漫画家の石ノ森章太郎に縁があることから、漫画に関連した仕事やアートフェスティバルのお手伝いなど、ユニークで多彩なプログラムが用意されています。
石巻ふるさとワーホリは首都圏のイベントにも積極的に出展したり、ワーキングホリデーより一歩踏み込んだ”地域創生見習いコース”を設けるなど、積極的に関係人口を増やす取り組みを行っています。
参加者の感想からは、石巻市での出会いや体験に満足しており、地域に魅力を感じていることが伺えます。受け入れ先からも、「職場の雰囲気が明るくなった」といった好意的な声が届きました。参加者の新鮮なアイデアが事業に活かされている場面も増えてきており、双方にとってWin-Winの関係が築かれています。
北海道釧路市の事例
参加者への支援
- 滞在中の宿泊費全額（宿泊施設は市手配）
- 居住地からの飛行機代の一部（往復で上限50,000円）
釧路市が取り組む「くしろお試しワーキングホリデー」では、IT企業での営業、システムエンジニアのサポート、自動車メーカーでの自動車整備のアシスタント、ワインブドウの栽培管理、牧場の手伝いなど、幅広い職種を受け入れています。
特徴的なのは、ワーキングホリデー参加者が移住やUIJターン就職を希望する場合、「移住支援金」や「UIJターン支援金」などのサポートが受けられることです。協力企業と連携して奨学金の返済支援も行っており、移住を考えている人に大きな訴求力を発揮しています。
実際にUターンした方は、「東京での満員電車通勤から解放され、自然に囲まれた充実した生活を送っている」と述べており、豊かな自然と多様な職業体験が、地域活性化への大きな一歩となることを表しています。
高知県香南市の事例
参加者への支援
- 滞在中の宿泊費（ 一泊につき上限3,000円×30泊分）
- 滞在中の交通費（上限15,000円）
香南市のふるさとワーキングホリデーは、地元の農産物の収穫や農作業の手伝いを通じて、都市部の若者に地域の魅力を伝える取り組みです。
参加者からは「自然の中で体を動かす非日常の体験が新鮮で楽しかった」「地域の役に立ててうれしい」といったポジティブな感想が寄せられています。都市生活では味わえない充実感と地域貢献の喜びを感じたという声が多く、ワーキングホリデーの魅力を実感しています。
実際に山北みかんの収穫作業を体験した参加者は、作業終了後も山北みかんをSNSで宣伝し、東京での販売イベントにも協力するなど、香南市との継続的な関わりを持っています。
ワーキングホリデーを通じて関係人口が増加するなかで、香南市への移住や就農を決意する人も現れています。これはふるさとワーキングホリデーが、地域の魅力を発信し移住者を増やすための効果的な施策であることを示しています。
岐阜県白川町の事例
参加者への支援
- 滞在中の宿泊費全額
- 滞在中のレンタカー無料
白川町のふるさとワーキングホリデーでは、地元の特産品である「白川茶」を扱う農業や、郷土料理「鶏ちゃん」の加工品製造など、地域ならではの仕事を体験できる点が魅力です。
白川町ではふるさとワーキングホリデー実施へ向けて、町内企業への「受け入れ方教育」や「企業同士の情報連携」などのワークショップを開催。また参加期間中の宿泊費無料や仕事場への移動サポートなど、参加者の満足度を高めるための施策を行いました。
オンラインコミュニティを通じて、ワーキングホリデー参加者たちが地域と継続的につながりを持つ場所も提供されており、関係人口の維持にも努めています。
白川町のふるさとワーキングホリデーでは、各種支援を充実させ応募へのハードルを下げることで、体験者の獲得と関係人口の創出につなげました。新たに人々を呼び込むための施策として、ほかの自治体でも参考にできる取り組みでしょう。
ふるさとワーキングホリデーの実施で交流人口増加を促そう
この記事では、自治体が行ってきたふるさとワーキングホリデーの施策と成功事例について紹介しました。北海道岩見沢市や秋田県大館市など、全国の自治体が取り組んでいる事例は、地域の魅力を活かし、交流人口を増やすための有効な取り組みを示しています。これらの事例を参考にし、ふるさとワーキングホリデーを活用した地域活性化のヒントを見つけてください。
地域の魅力を最大限に引き出し、交流を促進する施策を展開することで、ふるさとワーキングホリデーはより多くの人々にとって魅力的な体験となるでしょう。ぜひ皆さんも地域の魅力を広め、ふるさとワーキングホリデーを通じた交流に取り組んでみてはいかがでしょうか。
【参考資料】
札幌まで電車で30分！アクセス抜群で自然も雄大な岩見沢はいかが？ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
田園地帯が広がるハチ公のふるさとでワーホリ体験はいかが？ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
「米とりんごといで湯のまち」で、貴重な農作業体験をしませんか？ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
町の65％が国立公園の恵まれた自然の中で若者よ、新しい生き方を探してみよう！ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
漁業・農業・萬画・アートの街の魅力をワーホリを通して発信！ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
自然や産業資源に恵まれた市をワーキングホリデーで活性化！ - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
関係人口の創出にも、移住促進にも実績を上げる - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
ワーキングホリデーのつながりを、オンラインコミュニティで広げて育てる - 2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
