保護犬・猫問題の解決へ向けて|自治体が行うべきアプローチとは?

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近年、動物保護活動への関心が高まっており、保護犬猫の殺処分の是非や、迎え入れに関する議論が活発化しています。こうした社会的な関心を受けて、この記事では、自治体が直面する保護犬・猫に関連する課題や、その克服に向けたアプローチ方法、各自治体の事例について解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、保護犬猫と共生できる地域社会を考える際の参考にしてください。

保護される犬猫に関する自治体の課題

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犬や猫は多くの家庭で大切にされていますが、飼い主の一方的な都合で捨てられるケースも依然として見受けられ、それが引き取り手を探す自治体や保護団体の負担となっています保護された犬や猫が新しい家族を見つけられない場合、殺処分される現実があります。環境省の統計によれば、2022年度の殺処分件数は1.2万匹となっており、10年前に比べて1/10以下に減少していますが、依然として多くの命が失われています。

さらに、野良犬や野良猫の増加は地域の衛生状態を悪化させ、住民同士の問題を引き起こす可能性があります。こうした保護犬猫の課題に対処するためには、国や自治体が先導し、社会全体の意識変化と具体的な取り組みを行うことが求められています。

保護犬・猫の課題を克服するアプローチ方法

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まずは保護される動物の数を減らすことが最初のステップです。飼い主の責任意識を高めることは不可欠ですが、野良化を防ぐために有効とされているのが「地域猫活動」です。地域猫とは不妊手術を受け、地域住民の合意のもとで管理される、特定の飼い主を持たない猫のことです。繁殖を管理することにより、殺処分することなく野良猫の数を減らし、地域との共生を目指します。

また、保護犬猫の殺処分を避ける仕組みも重要です。保護センターや行政が民間団体と協力し、動物の引き上げを行ったり、積極的な返還・譲渡活動を行うことが必要です。里親制度も段階的に普及してきており、仕組みの認知や意識変化の啓蒙を続けることで、殺処分を減らす効果が出てきています。徐々に譲渡・返還率の向上は進んでいますが、まだまだ殺処分が必要な現状があり、譲渡数を増やす取り組みが継続的に必要です。

大阪府大阪市の事例 ~公園猫適正管理推進サポーター制度~

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大阪府大阪市では、2011年から「公園猫適正管理推進サポーター制度」を実施しています。この制度は、飼い主のいない猫の増加を防ぎ、地域社会での猫と人間の共生を促進するために展開されました。地域の合意のもと、猫の避妊・去勢手術を行い、一代限りの命となった猫を地域住民が適正に管理することを目指しています。

この取り組みには、多くの登録制サポーターが参加しています。毎年その数は増加し、2024年時点で326名の公園猫サポーターが登録され、市内62の公園で活動が行われています。これらのサポーターは、行政が定めるルールに従い、餌やりや頭数の管理などを行い、猫たちの適切なケアを担っています。

地域社会には猫を好きな人も嫌いな人も存在します。そのため、地域猫活動の背景や意図を正しく理解してもらうことが重要です。この取り組みは地域と猫の共生に向けた第一歩であり、無駄な殺処分を減らす一助となっています。住民全体が制度理解を深め、協力して取り組むことで、より良い共生社会の実現を可能とした先進事例となっています。

名古屋市の事例 ~犬猫サポート寄附金~

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名古屋市では、犬猫殺処分ゼロを目指す取り組みの一環として、犬猫サポート寄附金を設置しています。この寄付金事業は2016年からスタートし、譲渡ボランティア活動などへの資金提供を通じて、2019年までに犬の殺処分ゼロを実現しました。猫に対する殺処分は残念ながら続いていますが、処分数は減少傾向にあり、取り組みは目標に向かって進んでいます。

寄付金はふるさと納税を通じて行われ、動物愛護センターが引き取り、譲渡先が見つかるまで預かる犬猫の世話に活用されます。具体的には餌やペットシーツ、薬品、子猫のミルクなどの購入費や、譲渡ボランティアの支援物資に充てられます。この支援により、動物愛護センターやボランティアの活動が支えられ、新しい飼い主を見つけるための粘り強い取り組みに活かされています。

ふるさと納税を利用したサポート方法は、直接的な作業や新しい飼い主になることが難しくとも、想いに共感し何かしら支援を行いたいという方に支援する機会を提供しています。この新しい形の仕組みは、地域外からも支援できるユニークな試みとして、全国的なモデルケースとなりました。

住民が安心して犬猫と共生できる地域社会を

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この記事では、大阪市や名古屋市の事例を参考に、保護犬猫に関する自治体の取り組みについて解説してきました。保護犬猫の数を減らし、保護された犬猫を殺処分しないための活動を参考にしていただき、ぜひお住まいの地域で、特定の飼い主がいない犬猫と住民が共生していく環境づくりのヒントとしていただければ幸いです。

【参考資料】
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/project/practice.html
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000451120.html
https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000081451.html