消防団員減少を改善!動画を活用した入団促進PR
issues(イシューズ)米久です。
近年、消防団員数が減少傾向にあり、地域の防災力等の強化を図る必要性を考えると喫緊の課題です。特に昨今は、消防団員数の確保に苦戦している自治体も少なくないのではないでしょうか。本記事では、消防団員の現状と減少している背景、改めて考えたい消防団の重要性、自治体で増えている消防団入団促進のPR方法についてまとめました。ぜひ最後までお読みいただき、消防団員減少の改善方法として参考にしていただけますと幸いです。
消防団員の現状と減少している背景
消防士は常勤の地方公務員ですが、消防団は会社員や自営業、主婦、学業など他の本業と両立させながら非常勤特別職の地方公務員として消防防災活動を行います。
地域に密着した活動を展開してくれる消防団ですが、近年その数は減少し続けています。
総務省消防庁が全国の市町村を対象に、令和5年4月1日現在の消防団の組織概要等に関する調査を行った結果、入団者数は8年ぶりの増加となりましたが、消防団員数は約76万3千人(対前年比約▲2万1千人)と、2年連続で2万人以上の減少となったことが分かりました。
年齢階層別に消防団員数を見ると、昭和40年は30代以下の団員構成率は9割程度ありましたが、令和5年は4割程度にとどまります。
消防団員数減少の要因として以下のことが考えられます。
・人口の減少や高齢化
・就業者の全体に占めるサラリーマン等被雇用者の割合が大幅に増加するなど就業構造の変化
・地域との関わりや活動に参加する意識が低くなっているなど地域における連帯感の希薄化
今後も消防団員の減少が続くと、地域の防災力や火災対応力を損なう等、懸念される声も上がっています。
こうした状況を打開するため、消防団員の確保に向けて、チラシやポスターだけではない現代にあった広報活動、消防団員の年額報酬等の処遇改善推進、地域における優良事例の横展開などを進める必要があります。
消防団の組織概要等に関する調査(令和5年度)の結果|総務省消防庁
消防団の重要性とは
消防団は、火災や大規模災害発生時に現場へ駆けつけ、消火活動だけではなく、救助救出活動、避難誘導、災害防御活動などに取り組んでいます。また、普段から住民への防火指導や応急手当の普及指導、巡回広報など、住民の安心安全を守るため非常に重要な役割を担っています。
特に消防本部・消防署が設置されていない消防非常備市町村においては、消防団が消防活動を全面的に行うなど、地域を守る上でなくてはならない存在です。
また、万が一にでも大規模なテロや武力攻撃などが起こった場合、消防士や他の防災関係機関のみでは、十分に対応することは難しいと想定されます。自然災害を超える規模での住民の避難誘導や警報の伝達、負傷者の応急手当など、あってはならない事態から国民を守るための仕組みとして、有事における国民保護の観点からも消防団の重要性は非常に高いと言えるでしょう。
消防団入団を促進!各地域で拡大するPR動画のメリット
消防庁では、ポスターやパンフレット、インターネット等を利用して消防団のPR活動を行っています。
幅広い世代の人や他に様々な仕事を持つ人に向け、消防団の存在を認識、重要性を理解してもらうことや加入促進のため、広報媒体の一つとしてショートドラマやメイキング映像を公開しています。
消防庁は、消防団をより身近なものとして知ってもらうため、各都道府県及び市町村からPR動画を募集し「消防団PRムービーコンテスト」を実施。動画を通して地域の消防団を宣伝する自治体が増えています。
PRを動画で行うことは他の広報媒体と比べ、短時間で消防団の活動内容など、様々な情報をより多くの人に伝えることができます。
視聴者は自分が入団した場合の未来をイメージしやすいメリットがある他、動画に馴染みがあり視聴する傾向にある多くの若い世代に認知されやすく、興味関心を持ってもらうきっかけにつながる可能性が高い媒体と言えるでしょう。
下記、消防団PRムービーコンテストの受賞作品をご紹介します。
●令和5年度受賞作品
神戸市 消防団(兵庫県)|【一般部門】最優秀賞
美濃加茂市消防団(岐阜県)|【一般部門】優秀賞
豊田市消防団(愛知県)|【ショート部門】最優秀賞
藤枝市消防団(静岡県)|【ショート部門】優秀賞
安曇野市消防団(長野県)|【ショート部門】優秀賞
消防団員数減少にストップ!PR動画を有効活用しよう
本記事では、近年減少傾向にある消防団員数の現状と背景について、消防団の重要性、消防団加入促進につながるPR動画についてご紹介しました。
若年人口の減少や高齢化、就業構造の変化、地域活動参加の意識低下などが要因となり、今後は更に消防団員数の確保は難しくなると考えられます。そのため、消防団活動の認識や理解を社会全体に広めるためには、現代に合ったより効果的なPRが必要になります。消防団員数の減少に悩む自治体は、短時間で様々な情報を多くの人へ届けることができる動画を活用した宣伝方法をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。