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生理用品が買えない!~生理の貧困~3つの自治体の事例。

「生理の貧困に対して、各自治体でどのような支援をしているのか知りたい」

生理の貧困とは、経済的な理由などから生理用品の入手が難しい状況にあること。

生理用品は1ヶ月に500円〜1200円程度かかると言われています。この金額が出せずに困っている女性も多いのです。

また、生理用品が手に入らないと、経血が漏れる心配から学校や仕事を休んだり、遊ぶ予定をあきらめたり、日常生活の制約もあります。

この記事では、生理の貧困に取り組む3つの自治体の事例をご紹介します。

最後までお読みいただくと、お住まいの自治体で活用できるヒントが得られますよ。

 

生理用品が購入できるのは、当たり前じゃない

厚生労働省が18歳から49歳までの女性を対象にした調査(生理の貧困が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査)で、生理用品の購入や入手に苦労している年代割合が高いのは、18・19歳12.9%、20代12.7%という結果が明らかに。

購入できない理由は、
・自分の収入が少ないから 37.7%
・自分のために使えるお金が少ない 28.7%
という理由が並びます。

生理用品は誰でも当たり前に購入できるものではないのです。

 

生理用品が手に入らない時は交換回数を減らして対応

生理用品を購入できないとき、どうやって対処しているのでしょうか?

●生理用品を長時間使って、交換回数を減らす

昼間は2〜3時間に1回の交換が推奨されています。

手持ちの生理用品の数が少なく、交換回数を減らすために1枚あたりの使用時間が長くなると、かぶれやかゆみの原因になります。

●トイレットペーパーやティッシュペーパーで代用する

トイレットペーパーやティッシュペーパーを何枚も重ねて生理用品代わりに使うケースもあります。

経血の多い2日だと、カバーできないことも。

ショーツや服へ漏れてしまうことを気にして、
・学校を休む。
・仕事や授業に集中できない
・遊びの予定をあきらめる
こともあります。

【東京都豊島区】誰でもスマホ1台で生理用品を受け取れる

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東京都豊島区は、いち早く生理の貧困に取り組んだ自治体の一つ。

豊島区役所の女子トイレの個室には、生理用品が置かれており、必要な人に無料で配布しています。

専用アプリをダウンロードして、生理用品を入れたボックスにQRコードを読み取らせると、生理用品が自動で出てくる仕組みです。

公共のトイレではトイレットペーパーの盗難などが問題になっていますが、豊島区の方法では、QRコードの読み取りで必要な分だけ配布できるので、盗難のリスクも減らすことができます。

●自治体初!「生理用ナプキンの無料化を実現するサービス『OiTr』事業実施に関する協定」を締結

【千葉県】全ての県立学校で生理用品の無料提供

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千葉県では県内全ての県立学校で、令和4年1月から生理用品を無料で提供しています。

受け取り方は非対面と対面方式

非対面型ではトイレや更衣室に生理用品がおいてあり、自由に使うことができます。

誰が使ったのか把握するために、
・QRコードを読み取ってもらい専用フォームに入力してもらう
・カードに氏名や理由を書いて備え付けのカード入れに入れてもらう
いずれの方法を取っています(任意)。

対面型では、保健室で直接渡す方法が多いです。

名前を聞いている理由は、養護教諭によるサポートにつなげるため。

必要であれば保健指導や福祉的な支援に結び付けられるようにしています。

千葉県が令和5年4月〜6月に県立学校123校(中学2校、高校121校)を対象に行った調査では、非対面で約7400枚、対面で約1600枚使われたという結果がでました。


学校で渡すメリットは、生理の貧困だけでない

高校生では、まだ生理周期が安定しない生徒もいます。

突然生理が来てしまい、生理用品を持っていなかった、というケースもあります。

トイレットペーパーでは体育の授業や部活ができない‥といった悩みに問題も。

常にトイレにあることで、安心して学校生活が送れるのです。

●生理用品無償提供事業/千葉県

【福島県相馬市】声を出さない受け渡し〜生理用品引換カード〜

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福島県相馬市では、生理用品の受け渡しに「カード」を使っています。

声に出して「生理用品ください」は言いにくい…。

そこでできたのが、カードを見せるだけで生理用品が受け取れるというもの。

例えば、市立図書館の女子トイレに「生理用品引換カード」があり、図書館の職員にカードを見せるだけでOK。名前も聞かれません。

窓口に行って、声をかけてもらうのは、勇気がいることです。受け取るハードルを下げるための取り組みです。

●「生理の貧困」について考えてみませんか?/相馬市公式ホームページ


生理の貧困は人生に直結する問題


この記事では、東京都豊島区のスマホを使った生理用品の受け取り、千葉県での県立学校での受け取り、福島県相馬市の窓口での生理用品の受け取りをご紹介しました。

生理の貧困は、生理用品が手に入らないというだけの問題ではありません。

身体、心にも影響を与え、人生そのものへの影響が大きいのです。

ぜひお住まいの自治体での参考になさってみてください。