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【必見】絶対に参加したくなる、ユニークな避難訓練5選

□避難訓練の参加者が少なくて困っている
□マンネリ化した避難訓練を変えたい
□他の自治体での避難訓練の取り組みを知りたい

避難訓練に数年参加していない‥という方もいらっしゃいます。でも災害はいつ起こるか分からないもの。日頃から防災を意識した生活や訓練をしておくことはとても大切です。

この記事では、「避難訓練に参加したくなる」5つの自治体の取り組みをご紹介します。最後までお読みいただくと、お住まいの地域でも活用できるヒントが得られますよ。

【愛知県南知多町】GPSを活用して避難訓練を可視化した取り組み

海に囲まれた南知多町

南知多町は知多半島南部にあり、半島の先端と沖合の島々からなっています。人口は約16,000人(令和2年10月1日現在、国勢調査)です。

三河湾国定公園、南知多県立自然公園など豊かな自然があり、年間208万人の観光客(令和4年度)が訪れます。主に遊覧や釣り、海水浴など海のレジャー目的です。

南海トラフ地震では、最高津波高10mが予測されています。

南知多町HP

観光地ならではの防災の悩み

南知多海水浴場

自然豊かな南知多町は、防災上2つの悩みを抱えていました。

①海に面した地形

南知多町は伊勢湾・三河湾に面していて、津波が発生すると大きな被害を受けることが予想されます。

②海のレジャー目的の観光客が多い

愛知県内有数の観光地で、8月には60万人もの人が訪れます。地震が起きたら観光客を速やかに避難させる必要があり、効果的な避難誘導が課題でした。

この課題を解決するために目を付けたのがGPSや定点カメラを使った避難訓練です。

GPSを使って避難訓練を見える化

南知多GPS

避難訓練ではGPSや定点カメラで、海水浴場から避難所までの参加者の行動を追跡しました。

その結果見えてきた課題は、
□「人が集中する経路」から「空いている経路」への誘導方法
□どこに行けば良いのか分からず、避難開始が遅れる方がいること。
など。訓練結果を見える化したことで、今後の対策が取りやすくなりました。

自分たちの行動を客観的に数値でみられる避難訓練、とても興味深いですね。

https://www.town.minamichita.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/102/tsunamihinannkeikaku_r3.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisss/23/0/23_45/_pdf/-char/ja

 

【兵庫県丹波篠山市】あったかいコミュニティの避難訓練


豊かな自然があふれる丹波篠山市

丹波篠山市

丹波篠山市は兵庫県の中東部に位置し、人口は39,000人(令和4年現在)。そのうち日置地区には約200人が住んでいます。


日置地区のゲーム大会

兵庫県丹波篠山市日置地区では、避難先でゲームが始まります。消火器を使った的当てゲーム。土のうに土を入れて重さを当てるゲーム。チームごとの対抗戦です。

優勝チームには表彰も。最後は抽選会もあり、笑顔が絶えない避難訓練です。小さなコミュニティで横のつながりを大切にしています。


避難先では映画鑑賞会

丹波篠山市映画

避難先では、防災ドキュメンタリー映画『いつか君の花明かりには』を上映しています。避難して、映画で防災の勉強もできます。

兵庫県篠山市以外に南知多町でも避難訓練と映画上映を組み合わせています。

https://www.jackery.jp/blogs/disaster-prevention/2021disaster-preparedness-day

 

【大阪府堺市】「面白いから参加する」避難訓練


大阪湾に面する堺市

堺市

堺市は大阪府の中南部に位置する、人口・面積が大阪府で2番目の政令指定都市です。西側は大阪湾に面していて、沿岸部には臨海コンビナート地域もあります。堺市の人口は約81万人(令和5年12月1日現在)です。

南海トラフ地震では、最大震度6弱、最高津波高4.9m予測。津波の避難対象は市内人口の18%、約14万人と予想されています。


津波避難訓練の参加者が少ないことが課題

堺市では津波避難訓練の参加者が、避難対象者の3〜4%と低いことが課題でした。さらにヒアリング調査で住民の多くが津波到達予測時間を知らないことも判明

そこで堺市危機管理室と大阪湾に面する西区が協力。年齢を問わず多くの住人に参加してもらうため、「面白いから参加する」津波避難訓練を考えました。住民や地元の事業所とも協力しながらアイデアを出し合いました。

また参加したい!ゲーム感覚の避難訓練

堺市謎解き

ゲーム感覚で参加できる訓練をいくつも用意。その中から4つご紹介します。

【津波避難訓練中】
①避難経路に予定にない障害物

当日予告なく避難経路上に障害物を設置する。予定した経路以外の道を避難していきます。

災害時は予想外のことだらけとはいえ、訓練で予定された経路が通れないと焦りますよね。本当に災害があったときと同じような状況下での訓練です。

【避難目標地点】
②津波避難を叫べ大声コンテスト

避難するときは、大声で声を掛け合う場面もあります。そこで、どれだけ大きな声を出せるか競い合う大声コンテストを開催しています。入賞者には、津波避難に協力する地元の事業所から賞品が贈呈されます。

③ビンゴゲーム

ビンゴゲームといえば、「数字を埋めていくもの」を想像しますよね。堺市の避難訓練では訓練に持参した非常持ち出し品でビンゴゲームをします。非常持ち出し袋でどんなものが必要になるか、ゲームを通して見直すことができます。

④防災アトラクション体験型脱出ゲーム

人気の脱出ゲームが「防災」とコラボ。防災に関する謎解きゲームを通して、災害時の自分自身の身の守り方や、周囲の人との協力の仕方を学びます。

堺市のこの取り組み、参加者から「ためになった」「また参加したい」と好評だそうです。

https://www.bousai.go.jp/jishin/tsunami/tsunamibousai/kunrenjireisyu/pdf/kunrenjireihonpen.pdf

【東京都大田区】まもりんピック

大田区は羽田空港の玄関口

大田区

大田区は東京都の区部南部にあり、東は東京湾に、西と南は多摩川を挟んで神奈川県川崎市に隣接しています。人口は約73万人(令和6年1月1日時点)です。

課題は首都直下地震に向けた地域の防災力アップ

首都直下地震では古い家屋の倒壊や火災が課題。地域の防災力アップのため、まもりんピックを開催しています。企画・運営は大田区蒲田東地区の19の自治会・町会です。


<防災+運動会>子どもから大人まで楽しんで防災を学ぶ

大田区まもりんピック

防災と運動会が合わさったユニークな競技の数々。今回は2つご紹介します。

①「避難所はつらいよ」(大人)

限られたスペースに毛布を敷いて、複数人で共有して横になったり、約8kgの水を運搬したりします。避難所生活を競技を通じて経験します。

②「防災宝探し」(3 歳から小学 3 年生)

スタートの合図と同時にスタートして、お題が書かれているカードをめくります。めくったカードをヒントに防災グッズを探して、ゴールを目指します。

その他にも防災に関連したたくさんの競技があります。大田区のHPで紹介されているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/korosho/pdf/15.pdf

【福岡県福岡市】いきなり始まる防災訓練

政令指定都市の福岡市

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福岡市は福岡県西部に位置しています。博多駅を中心とした繁華街の他、博多湾、脊振山や金山など自然も豊か。人口は146万人(令和5年12月1日)です。

コロナ禍で生まれたLINEを使った防災訓練

2020年、福岡市ではLINEを活用した避難訓練を実施しました。2020年といえば新型コロナウィルス感染症のため、一斉に集まるのが難しかった年。災害はいつ訪れるか分からないので、みんなで集まらずにできる避難訓練を模索しました。

そんな中福岡市が考えたのは、LINEを使った防災訓練。福岡市では以前からLINEを使った防災情報提供体制を整えており、それを活用しました。

https://bosai.fukuoka.linesmartcity.com/


所要時間5分。完全オンラインの避難訓練。

まずは、福岡市LINE公式アカウント登録。そしてLINEで防災訓練の登録をすれば準備完了です。

防災訓練期間の「どこか」で一度、LINEに突然、福岡市から訓練開始のメッセージが届きます。メッセージに従って、避難訓練を行っていきます。

避難訓練の所要時間はたった5分。スマホでできる手軽さもあり、この訓練には15,000人が自主的に参加しました。

そして、訓練後のテストに正解するとたくさんほめてもらえます!素晴らしい、完璧、天才など‥。真剣な訓練の中でもワクワク感もちりばめられています。

避難訓練になかなか足が向かなかった方や、仕事で地域の避難訓練に参加できない方も、スマホを活用した避難訓練ならば参加したくなりますね。

https://lycomm.co.jp/ja/pr/news/2020/082610#:~:text=%E3%80%8C%E3%81%A8%E3%81%A4%E3%81%9C%E3%82%93%E3%81%AF%E3%81%98%E3%81%BE%E3%82%8B%E9%81%BF%E9%9B%A3%E8%A8%93%E7%B7%B4%E3%80%8D%E3%81%AF,%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BA%88%E5%91%8A%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

https://bosai.fukuoka.linesmartcity.com/

https://note.com/smartcity/n/n14e38b73ad96

 

それぞれの自治体に合わせた避難訓練


この記事ではGPSを活用した避難訓練の可視化、ゲームや運動会感覚の防災訓練、スマホを活用した避難訓練をご紹介しました。

それぞれの自治体で抱える悩みはさまざま。いつ起こるかわからない災害に対して、私たち一人ひとりが日ごろから知識を得て、協力しあう体制を作ることは大切なことです。

今回ご紹介した事例をぜひ参考にしてみてくださいね。