AIを活用した動画編集勉強会レポート作成

こんにちは!株式会社issues(イシューズ)マーケティング担当の佐々木 健(ささき けん)です。

2026年9月18日、全国の地方議員向けに、特別オンライン勉強会『撮影不要!地方議員のためのAI活用によるショート動画作成』を開催させていただきました!

9月定例会の真っ只中という、本当にお忙しい時期にもかかわらず、お集まりいただきありがとうございました。

動画やSNSが大事なのは分かっているけれど、カメラの前で喋ったり、編集ソフトを覚えている時間なんてないよ……。  
そんな議員の皆様のために、当日の熱気そのままに、私が語った内容をギュッと分かりやすくレポートとしてまとめました!

【1】なぜ今、動画なのか?(データで見る現実)

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まず、なぜ今ショート動画をやるべきなのか、総務省の最新データ(令和6年度公表)をもとに5分ほどでお話しさせていただきました。

(1)20代の新聞閲読率は1.4%、YouTubeは97.2%という衝撃

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・平日に新聞を1分でも読む20代:わずか 1.4%
・YouTubeなどの動画を使う20代:なんと 97.2%

もう、差が出てしまっているんですよね。  
10代から60代までは一貫して動画を見ている時間が新聞を大きく上回っています。紙と動画が逆転するのは、なんと60代と70代のあいだなんです。

もう60代まで動画投稿、共有サービスを利用する時代に途中しているのは私としても意外でした。

実はこれ、私の身近でもリアルな話がありまして……。  

私の父が今ちょうど67歳なんですね。我が家では福島民報とスポーツ紙の2紙をとっていて、私も父と同居しているんですが、その父が最近ぼそっと「民報、読むのやめようかな……」って言ったんですよ。  
ずっと新聞を読んできた世代の父が新聞を減らすと言い出したのは、息子としても結構衝撃でして、「あぁ、本当に時代が変わってきているんだな」と肌で実感した瞬間でした。




(2)それでも、チラシをやめてはいけません!

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ただ、ここで私が「じゃあ紙のチラシなんて全部やめて動画にしましょう!」と言いたいかというと、全く逆です。チラシをやめることはおすすめしておりません。


・60代以上(特に70代以上):新聞閲読率は52.9%あります。何より一番投票に行ってくださる層ですから、ここには絶対に紙のほうが確実に届きますし、安心されます。


・20〜40代:YouTube利用率は9割超えですが、新聞は7%未満(20代は1.4%)です。ここにいくら紙を配っても、そもそも視界に入っていません。

つまり、片方しかやっていない陣営は、もう片方の世代をごそっと丸ごと捨ててしまっているということなんです。  チラシをやめるのではなく、予算配分をどうするかという使い分けのお話なんです。

(3)動画と紙の役割は競合しない

動画とチラシ、どっちがいいの?とよく聞かれますが、そもそも役割が違います。

・動画:静止画の約2.25倍の人に届きます。まだ議員の皆様のお名前を知らない、地元の若い世代・現役世代にまず広く認知してもらうための道具です。

・チラシ:手元に残ってくり返し読めるのが最大の強みです。

以前、ある議員様からこんな嬉しいお話を聞いたことがあります。  
「熱心な支持者の方がね、私が毎月発行している議会だよりをずっとファイルに綴じて取っておいてくれて、あの政策どうなったか確認するのに本当に役立ってるよって言ってくれたんだよ」

こういう関心の強い層には、図解や資料をじっくり読めるチラシが圧倒的に強いんです。  
広く知ってもらうなら動画、支持層に深く説明するならチラシ。この役割分担さえ押さえておけば、迷うことはありません。



(4)地方選こそ動画広告が効く!「120人(票)」の重み
ネット広告や動画なんて、大統領選みたいな大きな選挙の話でしょ?と思われがちですが、実は真逆なんです。

アメリカの政治学研究(50万人以上の実験データ)によると、動画広告1本あたりの説得効果はこんな数字が出ています。
・2020年 大統領選:0.8PP
・2020年 州・地方選挙:1.2PP
・2018年 州・地方選挙:2.3PP(大統領選の約3倍!)

有権者が候補者のことをまだよく知らない地方選挙ほど、動画の効果って如実に出るんですね。  
ざっくばらんに言うと、選挙区内の現役世代1万人に動画が届いたら、1.2ポイントでおよそ120人分の支持が動く計算になります。小さい効果に見えるかもしれませんが、市議選って、最下位当選と次点の差が数十票なんてザラにあるじゃないですか。そう考えると、この120人分の差ってめちゃくちゃ重たいですよね。



(5)選挙が始まってからでは、法律上打てません!
そして一番お伝えしたかったのがここです。  
公職選挙法(第142条の6)の規定で、選挙期間中の有料インターネット広告は政党等しか出せません。無所属や個人の候補者様は、選挙が始まったら有料広告を打つことが一切できないんです。(違反すると2年以下の禁錮または50万円以下の罰金、公民権停止という本当に重い罰則があります……!)

つまり、告示・公示されてから動画広告で一気に追い上げるというウルトラCは存在しません。  
知名度をコツコツ積めるのは平時(政治活動期間)だけなんです。2027年の統一地方選から逆算すると、選挙の前ではなく、今から始めておかないと間に合わない、というのが現実なんですね。

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【2】全部AIで作れますの甘い罠と3つの落とし穴

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動画が大事なのは分かった。じゃあ流行りのAIに全部作らせればいいんじゃない?と思いますよね。  
最近SNSでも「ワンクリックでAI動画完成!」「動画編集者が消える!」なんて過激な投稿をよく見かけますが……ぶっちゃけ言います。

ワンクリックで完成なんて、まだネット広告の中だけの話です。

実際に議員様が自力でやろうとすると、次の3つの落とし穴にハマってしまいます。

1. コストの落とし穴  
動画生成AIはクレジットを消費します。動画は特に消費が激しくて、1発で思い通りの映像が出るなんてまずありません。やり直すたびにクレジットが減って、結局高額な上位有料プランに入らないとまともに作れません。

2. 日本語・行政用語の落とし穴  
主要なツールの多くは海外製です。日本語を入れるとテロップの文字が崩れたり、フォントが不自然だったり。放課後児童クラブみたいな自治体・政策用語が正しく扱われないことも日常茶飯事です。

3. 専門知識の落とし穴  
じゃあ自分のPCで動かせば無料じゃんと調べると、高性能なゲーミングPC(高価なGPU)が必要だったり、黒い画面に英語のコマンドを打ち込むような専門知識が必要だったりします。議会の合間にそんなの勉強してる暇、ないですよね……。

・だから、解決策は「割り切ること」!
議員の皆様は動画クリエイターになりたいわけじゃないですよね。本業は、本会議や委員会に出て、市民相談に乗って、地域の声を政策にすることです。

だからこそ、AIに動画を丸ごと作らせるのはやめて、台本づくりと素材だけに割り切る!これが一番のコツになります。

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【3】生実演:議会だより1本から動画を作る3ステップ

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ここからは、勉強会の中で実際にお見せした生実演デモの手順をご紹介します!  
カメラも照明もマイクも一切使いません。手元にある資料と、普段お使いのGoogleアカウント(Gemini)、そして無料ツールのCanvaがあれば数十分で作れちゃいます。

・ネタを新しく考える必要はゼロ!
今回のお題に使ったのは、架空の自治体「南和野市(なんわのし)議会だより」の紙面データです。  
内容は、9月定例会の一般質問「放課後児童クラブの待機児童が63人に増加して深刻。市が来年秋に2か所増設を決定した」という、よくある議会報告です。


議員様がご自身で書かれ、議場で実際に発言された一次情報ですから、AI特有の誤認識や嘘の生成などを比較的避けることができます。

・ステップ1:Geminiで台本と画像プロンプトを一発出力

まずはGemini(思考モード/Thinkingモードがおすすめです)を開きます。  
勉強会の参加者様にお配りした特製プロンプトを貼り付けて、手元の議会だよりのテキストをポンと貼り付けるだけ。

すると、Geminiが数秒で以下を一気に出力してくれます。
・ショート動画の構成案(フック4秒、シーン1が10秒、シーン2が10秒……といった秒数配分)
・ナレーション用の全文原稿(話し言葉の読み上げテキスト)
・背景に使う画像生成用の指示文(プロンプト)

ステップ2:AIで映像素材と音声をサクッと用意

1. 背景画像の生成:  
Geminiの「画像を作成」機能に、先ほど出力されたプロンプトを貼ります。スマホ用の縦型動画なので、アスペクト比を縦(9:16)に指定するのがポイントです。「スマホを見て悩むお母さん」「夕方の通学路」「明るい学童クラブの室内」の3枚の画像を作りました。

2. 動画素材へ変換:  
できた画像をGeminiの「動画を作成」に入れて、数秒の動く動画クリップにします。  
動画を作らせるとき、必ず指示文に「音声は不要です」と入れてください。AIに音声を同時に喋らせると、チグハグでおかしな日本語が入って台無しになっちゃうので、映像の動きだけを作らせるのがコツです!

3. ナレーション音声の生成(Gemini Speech):  
Google AI Studioにある「Gemini Speech」を開きます。ステップ1でできたナレーション原稿をそのまま貼り付けて「Run」を押すだけで、アナウンサーのようなめちゃくちゃ自然な日本語音声ファイルが一瞬で完成します!

ステップ3:Canvaで編集して完成!
最後は、無料デザインツールのCanva(キャンバ)で合体させます。

1. Canvaで「ショート動画(縦型)」を開きます。
2. 3本の短い動画素材をポイポイとドラッグ&ドロップで並べ、下にAIナレーション音声を配置。秒数を台本どおりに合わせます。
3. テロップを入れます(「学童に入れない…?」「待機児童が63人に増加!?」「来年秋に2か所増設へ!」)。  

★見やすくするワンポイント:スマホの縦型動画は2行が見やすいです。文字を白にしてエフェクトでグロー(発光)をつけるか、後ろに青色の図形を敷いて透明度を少し下げた半透明の帯を作ってあげると、背景と重ならずに文字がパッと読めるようになります!

4. 最後に、Canvaの丸いフレーム素材を置いて、議員様ご自身のお顔写真(実演では仮でレーガン元大統領の写真を使いました笑)をはめ込み、「私が改善に取り組みます 政治家太郎」と名前を入れて完成です!

実際の勉強会でも完成した動画も実際にお見せしました。


【4】作れると続くは大違い!続けるための設計

デモをお見せしたあと、私から一番現実的でシビアなお話をさせていただきました。  
それは、作り方が分かったことと実際に有権者に届き続けることは、全く別の問題だということです。

ショート動画は参入しやすい分、世の中に毎日大量にアップされています。残念ながら、1〜2本アップしたくらいではアルゴリズムに埋もれてしまって有権者には届きません。  
どの政策テーマが当たるかを検証するためにも、ある程度の本数を出し続ける必要があります。でも……議会準備や市民相談で手一杯の議員様が、毎月何本も動画を作って、広告の設定まで自力で回し続けるなんて、リソース的に絶対にパンクしちゃいますよね。

そこで、議員様が選べる3つの選択肢を比較してみました。


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【自力でやる最大のメリットは思い立ったその日に出せること】
もし議員様の事務所に発信を手伝ってくれるチームやリソースがあるなら、自力運用は素晴らしい選択肢です。  
最大の強みは思い立ったその日のうちに出せること。議会で決まったことや、今まさにニュースになっている地元の話題を、その日のうちに動画にして出せるスピード感は自力にしかできません。ノウハウも事務所に残ります。 


【外注するときの最大の落とし穴は「政治の文脈が分からない相手】
一方で、一般的な広告代理店にお願いするときに一番気をつけていただきたいのが、相手が政治の文脈を理解しているかどうかです。  
初期費用や長期契約の縛りも大変ですが、何より「公選法上この表現は大丈夫か」「政務活動費の按分基準はどうすればいいか」といった相談に乗ってくれません。

「撮影のために半日スタジオを抑えてください」と言われて、結局議員様の負担が全然減らなかった……なんていう失敗談も本当によく耳にします。

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【5】質疑応答:参加議員様からのリアルなご質問!

勉強会の最後、参加してくださった議員様からマイクを通じてとても鋭いご質問をいただきました!非常に参考になる内容でしたので、皆様にも共有しますね。

質問:
「作った動画はどのSNSに投稿するのがいいですか? YouTube、Meta(Facebook/Instagram)、Xなどでアルゴリズムの違いはありますか? 有料広告も全部試すべきでしょうか?」

佐々木からの回答:
「ご質問ありがとうございます!  結論から言いますと、リソースが許すのであれば全部試すが正解です! というのも、動画マーケティングって、実はプロの専門家であってもどの企画がどのSNSで爆発するかは事前に100%読み切れないのが現状なんです。  ただ、動画を1本完成させてしまえば、それぞれのSNSにアップロードする手間自体は数分ですから、出せる場所には全部出していくのが一番効率的です。」

その上で、各プラットフォームには明確な強みと特徴があります。

1. YouTube(認知獲得、政策の告知)
全世代を通して圧倒的に利用者が多いので、地元でまだ自分を知らない人に名前や政策を知ってもらうなら、YouTube(YouTube広告含む)が今一番熱いです。

2. Facebook / Instagram(濃いファンづくり・リンク誘導に)  
Meta社(Facebook・Instagram)は特定の興味・関心を持っている人に届けるアルゴリズムの精度がもの凄く高いです。動画を見たあとにホームページをじっくり読んでほしい、政策アンケートに答えてほしい、といった具体的なアクションや濃いリアクションを求めるならMeta広告が非常に向いています。

3. X
他のユーザーが反応したときに、一気にリポスト等で広がる拡散の初速・勢いは今でもピカイチです。

4. TikTok  
有権者層や議員様のキャラクター・お立場によっては向き不向きがありますが、親しみやすさを出していけるのであれば選択肢に入ります

ご予算が限られている地方選挙では、まず地元で広く知ってもらいたいならYouTube、ホームページ誘導やアンケート回収など濃い反応がほしいならInstagram/Facebook、というように目的に応じて使い分けていただくのがおすすめです!



【おわりに】平時の今だからこそ、できる一歩を

あっという間の60分間でしたが、私がお伝えしたかったのは、有権者のメディア環境はすでに激変しているけれど、議員様が無理をして動画クリエイターになる必要はまったくない、ということです。

まずは、直近の議会だよりや一般質問の通告原稿を、Geminiにコピペして30秒の台本を作ってみてください。「あ、自分の政策ってこうやって短く伝えられるんだ!」という感覚を掴んでいただけるはずです。

そして、自分で動画編集や広告設定まで回し続けるのは時間的に厳しいな……と感じられたら、ぜひ政務活動費を活用して、私たちのような専門の仕組みを頼ってください。

公選法上、選挙が始まってからでは個人の有料ネット広告は打てません。  
勝負の分かれ目は、平時である今のうちに、地元の現役世代とどれだけ接点を作っておけるかです。

【無料オンライン相談のご案内】
自分の自治体・選挙区だと、月33,000円で何人の有権者に届くの?という目安を知りたい方のために、60分の無料オンライン相談を行っています。


ご興味のある議員様・候補者様は、ぜひお気軽にissuesまでお問い合わせくださいね。  
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!皆様の地域での活動を、心より応援しております!