子どもから大人まで参加したくなるオンライン防災訓練4選
「防災訓練にオンラインを活用している自治体の事例を知りたい」
2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から始まったオンライン防災訓練。
インターネットの活用や、リアルを追求した防災訓練は、子どもから大人まで参加したくなる内容で、防災の大切さを身近に感じられます。
この記事では、オンラインを活用した防災訓練の事例を4つご紹介します。最後までお読みいただくと、お住まいの自治体でも活用できるアイデアが得られますよ。
【東京都文京区】防災訓練をYouTube配信
東京都文京区では、防災訓練(2022年)をYouTube配信しました。
もともとは集合型での開催予定。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からオンラインへ変更しました。
視聴者は「オンライン隊員」として参加。
・避難所の設営までの流れ
・避難所テントを設置した体育館の様子
・区で備蓄している食料
・消火訓練の様子
などが収められています。
気になる部分は何度も見返せます。
<参考サイト>
●文京区 オンライン版防災フェスタ「みんなで一斉防災訓練」
【大阪府藤井寺市】スマホ1台、5分でできる簡単訓練
大阪府藤井寺市では、LINEを使った「防災訓練OnLINE」で、防災意識を高めてもらう取り組みをしています。
1回の訓練時間は約5分。スマホ1台あれば、いつでもどこでもできます。
テーマは2つ。
⚫️強風・水害
大雨注意報、警報、避難情報が出たときに、自分がどう動いたら良いか、順を追って確認します。
⚫️地震
緊急地震速報が出てから、避難完了までの安全な行動を確認します。
いざというときの行動をスマホで確認できるので、若い世代でも抵抗なく避難訓練に参加できそうですね。
また福岡市でもLINEを使った防災訓練を行った経験があります。合わせてこちらもお読みください。
<参考サイト>
●避難訓練OnLINE/藤井寺市
【神奈川県横浜市瀬谷区】動画を使ったリアリティがありすぎる防災訓練
横浜市瀬田区はリモート型防災アトラクションを使った、手に汗握るリアリティある防災訓練。
本当に現実の世界で起こっているかのような感覚で参加できるのが特徴です。
次のような状況下、あなたはどうしますか?
「緊急地震速報」がなり、激しい揺れがあなたを襲います。食器棚は割れ、本が散乱します。あなたはパニックです。
この状況下で「頭の守り方を選択せよ」とテロップが表示。制限時間30秒で正解がわかりますか?
「防災訓練はいつも内容が同じ」「防災訓練はつまらない」と思っている方が、参加したくなる防災訓練です。
<参考サイト>
●楽しみながらリモートで防災訓練、固定化・高齢化した参加者の裾野広げる「防災アトラクション」
【宮城県仙台市】VR(バーチャルリアリティ)を使った防災訓練
宮城県仙台市では、VR(バーチャルリアリティ)を使った防災訓練を体験できます。
もともとは防災・減災の意識づけのため地震体験車を活用していた仙台市。地震体験車の老朽化に伴い、よりリアルに災害を経験できるVRを導入しました。
体験できるのは4種類。地震災害、津波災害、洪水・土砂災害、内水氾濫編です。
VRを使うメリットは「災害・防災が自分ごとになる」こと。災害をイメージできなければ、何度防災訓練を重ねても「他人事」で終わってしまいます。
会議室があればどこでもできるので、地区の防災訓練と組み合わせると、より効果的な訓練ができそうですね。
<参考サイト>
●防災訓練や防災研修会に「せんだい災害VR」をご利用ください。|仙台市
●「せんだい災害VR」のご紹介
「デジタル」を活用しつつ、実際に防災訓練で実践を積むことも大切
この記事では、動画やLINE、VRを活用した防災訓練をご紹介しました。
デジタルネイティブな若い世代はオンラインとの親和性が高く、防災訓練の参加を促すためにも、オンライン防災訓練は活用できそうです。
しかし、オンラインで防災訓練は完結するわけではありません。
読んだり見たりして頭で理解しても、いざというときに行動できなければ命を守れません。
オンラインを上手に活用しつつ、リアルの防災訓練に参加を促していくことも大切です。
ぜひお住まいの自治体で参考にしてみてくださいね。