廃校を活用した移住施策とは?

こんにちは!issues(イシューズ)高橋です。今日は廃校を活用した移住施策について取り上げたいと思います。

私は地方出身で人口約5,000人の小さな町が地元です。少子高齢化が顕著で私が子ども時代だった20年以上前、既に数十人しかいなかった隣町の小学校が少し前に廃校になったと聞きました。通う生徒がいなくなれば廃校になるのは当然ですが、知っている小学校が無くなるのは非常に寂しかったのを覚えています😔

地元の旧小学校は交流施設としてリノベーションされ現在は各種イベントを開催しているようです。そのように廃校を有効活用している地域も多いかと思いますが今回は廃校を活用した移住政策について調べていきたいと思います!

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廃校活用とは

廃校とは文部科学省によると「地域の児童生徒数が減少することにより、ある学校が他の学校と統合されたり、又は廃止されたりすることにより生じ、学校としては使わなくなること」と定義されているようです。全国の公立小学校の廃校件数は平成14年度~平成27年度までの14年間で約6,800校と年間約500件のペースで廃校となっていることが分かりました…😱😱

日本全国で廃校が進む中、廃校の活用方法は様々で学校に再度活用されるのが約33%、社会体育施設が約21%、その他文化施設約14%などがあるようです。

再度学校に活用されるというのは驚きでしたが壊すのではなく再利用されるというのは一個人としても嬉しいですし都会に住んでいるとなかなか古い建造物に触れ合う機会がありません。

子ども達には木造建ての暖かみにも触れてほしいので帰省や旅行で出かけた際には是非立ち寄りたいなと思います!😊

文部科学省の施設助成課というところでは「みんなの廃校プロジェクト」という冊子も作っており、廃校活用を積極的に推進しているようですね。

https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10953606/www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/01/12/1308192_01_1_1.pdf

廃校活用が積極的に行われている中、廃校を活用した移住施策を行っている自治体はないのか?調べてみます。

山形県長井市の事例

山形県長井市は山形県の南部にある人口約2万6千人の市。旧長井小学校第一校舎をリニューアルし「学び」と「交流」をコンセプトとする地方創生拠点施設として整備。民間事業者のノウハウを活かし「子どもの学び」「大人の学び直し」「観光交流」「世代間交流」を軸とした場づくりを行うなど多彩な事業を実施した結果、市との協働により地域課題解決や関係人口の増加・拡大に繋がっているようです。

実際に2019年4月にオープンしわずか8ヶ月で来館者は当初想定の約1.5倍である60,687人という実績!

また旧校舎自体も昭和8年に地元の有志によって建設された、木造2階建て、延べ床面積2,300㎡、長さ約93m、幅約11m、高さ約12mの現存する木造校舎としては最大級の大きさを誇り、国登録有形文化財に指定されいる建造物とのこと😮

27770667_l  写真で見ても暖かみのある建物ですごく素敵ですね!

廃校を活用し観光交流事業を実施することで人口増加に寄与しているとのことです。

https://www.city.nagai.yamagata.jp/material/files/group/2/32122download.pdf

https://www.city.nagai.yamagata.jp/material/files/group/2/kihonkeikaku.pdf

群馬県中之条町の事例

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群馬県の北西部に位置し、車なら都心から1時間30分程度で行くことができる群馬県中之条町。中之条町の元町長である入内島 道隆氏は同町を舞台にしたアートの祭典「中之条ビエンナーレ」を2007年に立ち上げ廃校を積極的に活用。アーティストを招き人と人の交流が活発に行われる場に。

その結果、2年に一度行われるイベント準備のために多くのアーティストが半年ほど滞在したり、中には完全に移住する人も出てきたそう😮雇用がなく移住者が増えないという自治体の悩みもある中、雇用だけではないアートを通じて地域を再生することも出来るという新たな視点を持った取り組みだなと感じました!

中之条ビエンナーレ

北海道上川郡美瑛町の事例

24725316_l  めちゃめちゃ素敵なところなんですね!空が広い!

北海道のちょうど中央に位置する美瑛町。美瑛町は廃校の有効活用を目指し1994年に旧旭中学校を食品加工会社に売却したことを皮切りに美術館や交流施設への転用を進めているそう。

例えば、旧美田小学校は農業で生計を立てる人たちの起業支援や社会的雇用促進を展開する拠点施設「森と農の美田学舎」として活用されていたり、旧北瑛小学校は主要な丘陵観光ルート「パッチワークの路」のほぼ中心に位置しており、美瑛の魅力の1つである広大な小麦畑もあることから、2014年4月に「北瑛小麦の丘」としてレストランや宿泊もできる施設として生まれ変わっているとのこと。

すごいですね!😮

更に美瑛町は、企業との地域づくりの一環で2013年12月にヤフー株式会社との相互連携を実現。ヤフーは美瑛町に対して、旧旭小学校を拠点にした美瑛ベース(地域人材育成研修施設)を利用した企業活動の展開やIT技術を活かし地域連携による人材育成及び美瑛町の活性化へ寄与を図る一方で、美瑛町は施設の提供・ヤフーのノウハウやアイデアを活用した協働によるまちづくりを推進したりするなど、相互に連携を行い社員研修やサテライトオフィスをはじめとして地域交流・次世代交流・地域事業者との交流などを実施したとのこと。(本プロジェクトは約半年間)

企業誘致できればそれに伴って雇用も増え、移住者も増えるので良い事例となりそうです!!👏👏

https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2014/05/08a/

https://town.biei.hokkaido.jp/files/00000100/00000147/vision2_honpen.pdf

 

自治体の移住施策で人口増加により再度「学校」として復活も

和歌山県高野町にある町立富貴中学校は児童の減少で2019年度末に一度休校となったが、移住者の増加で子どもが増え26年度にも再開する方針を固めたとのこと!少子化や過疎化で休校となった学校を再開するのは珍しいケースとのこと。

そんなケースもあるのですね!😮これには文部科学省も注目しているようで今後の動きに期待です!