1人で悩まない 孤独対策まとめ~4つの団体の事例~

「孤独を感じている方、孤立している方の支援策を知りたい」

孤独とは「頼りになる人や心の通じ合う人がなく、ひとりぼっちで、さびしいさま。自らの意志に反して、精神的に「孤立」し、苦痛を覚えるという、ネガティブな主観」と定義されています。

世界的に見ても日本は、社会とのつながりを上手く作ることができず孤独を感じている人が多いのです。

この記事では、孤独・孤立の問題点、その解決に向き合う団体についてご紹介します。

世界一孤独な日本人│国土交通省 2019

孤独を感じている日本人

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内閣官房 孤独・孤立対策担当室が行なった「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」で、孤独の現状が明らかになりました。

孤独感を感じているかという質問に対して、
・しばしばある・常にある 4.8%、
・時々ある 14.8%
・たまにある 19.7%
という結果に。

孤独感を年齢階級別にみると、孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人は、
・20代 7.1%
・30代 6.9%
・40代 6.5%
・50代 5.7%
20代の割合が1番多いことがわかります。

人々のつながりに関する基礎調査(令和5年) 調査結果の概要│内閣官房 孤独・孤立対策担当室 2024


世界的に見ても日本人は孤独

OECDの調査では、家族以外の人との交流が「全くない」「ほとんどない」と回答した人の割合は平均6.7%。

一方、日本は2倍以上の15.3%とOECD加盟国20か国中で最下位でした。

先進国の中でも最も孤独な人が多い状況が見えています。

世界一孤独な日本人│国土交通省 2019

孤独が与える社会への影響

孤独は個人の問題と思われがちですが、実は社会にも影響があります。

 孤独になると、感情の抑制が難しくなったり、認知のゆがみが発生したりして、人との付き合いが難しくなると言われています。

人との付き合いが難しくなり、引きこもりにつながる悪循環へ。

更に悪化すると、人間関係を否定したり、自分が被害者のように感じたり、他人の意見を受け入れられなくなります。

そのような人が増えると、社会の寛容性低下にもつながり、ますます生きづらさを感じやすい社会になってしまいます。

世界一孤独な日本人│国土交通省 2019

 

孤独が与える健康への影響

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孤独は健康リスクも高くなります。

例えば、
・孤独を感じていない人と比較して、死亡リスクが50%上昇
・ 心臓病のリスクが29%上がる
・孤独な人はそうでない人より、20%速いペースで認知機能が衰える
・孤独度が高い人がアルツハイマーになるリスクは孤独度が低い人の約2倍
など。

孤独を感じると心臓や脳など重要な臓器への影響に直結します。健康リスクを減らすためにも、社会とのつながりが大切なのです。

世界一孤独な日本人│国土交通省 2019

 

孤独・孤立を解消する取り組み~4つの団体の事例~

 

一般社団法人えんがお

えんがおは、子ども・学生からお年寄り、障害がある方もさまざまな世代・立場の人が日常生活の中で関われる社会を目指し、2017年に設立された一般社団法人です。

栃木県大田原市内で地域食堂や世代間交流サロンなどを通じて、「ごちゃまぜのまちづくり」を行っています。

ごちゃまぜのまちづくりの一環として、地域に開放された知的・精神障害者向けのグループホームや、フリースクールも運営しています。

実際に人と接するのを避けていた学生が、えんがおの活動に参加して、人と関わる楽しさを知ったという事例もあるそうです。

一般社団法人えんがお

公益社団法人 全国公立文化施設協会

全国公立文化施設協会は、全国の劇場や音楽堂を活用して、文化や芸術に触れることを通したつながりづくりに取り組んでいる公益財団法人です。

例えば、宮崎県三股町立文化会館では地元の子ども食堂と連携して「おいしい音のコンサート」を開催しました。

食にまつわる曲をテーマにしたコンサートを開催して、その後にご飯の時間を楽しむという内容で、親子同士、子ども同士で会話がはずみ、参加者が楽しい時間を過ごすことができました。

文化を通じて、集まり、自分以外の誰と会話をして、地域とのつながりが作りやすいよう、取り組みをしています。

全国公立文化施設協会

一般社団法人 ArtsAlive(アーツアライブ)

アーツアライブは、2009年から認知症当事者や家族対象の対話型鑑賞事業に取り組んでいます。主な活動場所は高齢者福祉施設です。

アート鑑賞プログラムでは、1枚の絵について認知症当事者や家族が、感想を自由に発言していきます。参加者の意見を聞くことで気づきが得られると、参加者からも好評です。

参加した方と会話が生まれ、会が終わるころには自然と友達ができることが多いそうです。

アーツアライブ

特定非営利活動法人 かみああと

特定非営利活動法人かみああとは、退職した高齢者や障害を持つ人々がPCや制作などのスキルを身につけ、地域貢献と自己実現を目指す取り組みを行っています。

やらされているのではなく、それぞれがやってみたいことにチャレンジして、楽しみながら参加することが特徴です。

参加者同士の「ゆるやかなつながり」の場が形成されています。

NPO法人かみああと

自治体とNPOなどが協力した居場所作り

この記事では、孤独が社会・健康に及ぼすリスク、孤独を解決するための4つの団体が取り組み事例をご紹介しました。

孤独を感じる方への介入は自治体とNPOなどが協力して、取りこぼしのない支援が行える
体制づくりが必要です。

孤独対策に取り組んでいる団体は以下のURLから検索できます。

国の孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム - 内閣府

ぜひお住まいの自治体での参考になさってみてください。