まさに異次元?ハンガリーの子育て政策とその後の課題について
こんにちは!issuesの佐々木です。
今回は、異次元の子育て政策を掲げた国、ハンガリーの子育て政策についてまとめてみました。
ハンガリーのオルバーン首相は、移民に頼ることなくハンガリー人を増やすことを掲げて大胆に少子化対策を行いました。国内GDP比の5%を掲げて行うという予算も掲げて一時的に称賛の声を集めたのではまだ記憶に新しい方も多いのはないでしょうか?
今回の記事では、ハンガリーの子育て政策の内容を振り返りつつ、現在抱えている課題を追ってみたいと思います。
その1:3人以上の家庭の自動車購入費補助
子どもが3人以上の家族が、7人乗り以上の新車を購入すると7500ユーロ(約110万円程)の補助をするそうです。調査で、子どもがいる家庭の悩みが長距離移動とのことでしたので、この政策に反映されたようです。
その2:子どもを4人産んだら所得税0円
4人目のこどもを産むと、その後はどこまで働いても所得税が0円になるそうです。
これは、本当に異次元ですね・・・。ちなみに、こどもが1〜3人の場合でもそれぞれのケースに合わせた税額控除の仕組みがあり、子どもを産めば産むほど待遇されます。
その3:体外受精費用の全額保証
2017年から、第1子に対して5回まで、第2子以降は4回までの体外受精費用を全額補助している。また2020年からはさらに、体外受精にかかる医薬品の100%保険適用を始めたそうです。
さらには、全国に12ヶ所に国営の不妊治療専門機関を設置して、環境を整えたようです。徹底していますね。
その4:三年間の有給育児休暇
日本では原則、1歳になるまでが育児休暇の対象ですが、ハンガリーは3歳になるまで認められています。
最初の1年は乳児ケア手当、2歳に到達されるまでで保育料が支給、その後2歳〜3歳までも金銭的な援助を得ることができるとのこと!金額も、出産前の給与の7割とかなりの金額が保証されているのでまさしく至れり尽くせりですね。
こちらでピックアップさせていただいたもののほかに、学生ローンの免除や不動産購入の援助、結婚奨励金などなど子育てに前向きな家庭にうれしい援助が多数存在しているようです。
成果
これらの成果として、2021年にかけては出生率が2011年には1.23まで落ち込んでいたところがどんどん回復に向かい、2021年には1.59まで回復しております。日本の出生率が2022年で1.26なのでどれほど回復しているのかがわかります。
課題
これらの政策を全ての国民が受け入れたわけではないようです。一部の声としては、「こういった政策が女性に子どもを産めと圧力をかけている」という声が上がっているのも少なくはないようです。
また「差別的であり、不平等性を助長する」という声もあるとのこと。
その理由としては、貧困層は家や車を買う経済力がそもそもないので、ローンが組めない、支援が受けれないことが原因となっているようです。さらにLGBTQ(性的少数者)も給付の対象から除外されていることも、差別的だという批判の対象とのことです。
さらに、手厚い住宅支援などを行い続けた結果として、住宅の高騰も社会問題になっているようです。
急な変化を、国民全員が納得する形で届けるのはやはり難しいと思わずにはいられませんでした。
今後も、皆様に役に立ちそうな海外事例の発信を行っていきたいともいますのでよろしくお願いします。