四日市市を盛り上げる!YouTubeを活用して市民と交流|四日市市議会議員 谷口周司さん

市民と議会が遠い――こうした危機感から四日市市議会の谷口周司さんが選んだ手段は、YouTubeでの情報発信でした。これまでに作った動画は200本超。再生回数は多い時で2.4万回を超えました。「市民から反応をもらって、政策に活かせるようなツールになってきた」と話す谷口さん。YouTubeでの情報発信のコツやこれからの活用方法について伺いました。

谷口周司さん(45)プロフィール

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四日市市議会議員(自民党) 3期目

1978年生まれ

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ー今日はお時間をいただきありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。

四日市市議会議員の3期目で、現在は副議長も務めています。中学生と小学生の子どもが3人いて、子育てをしながら議員活動をさせていただいております。

ー政治家を志したきっかけは何でしたか?

大学生の頃、たまたま近所に議員秘書をされている方がいらっしゃいました。そこで母が、「うちの息子、遊びほうけてるから何かバイトでも使ったって」とお願いして、選挙事務所を手伝うようになったんです(笑)。それが政治に触れた初めての機会でした。

そこの議員の方は当時まだ28、29歳くらいだったのですが、多くの市民を前にマイク1つで夢を語る姿がかっこよくて。政治なんて自分に関係ないと思っていましたが、「こんな仕事もあるんだ」と憧れのような気持ちを抱きました。 議員になるかならないかは別として、政治に関わる仕事ができたらなという気持ちが芽生えました。

ーそういう出来事があったのですね。現在、どんな政策に力を入れてらっしゃるのでしょうか?

私自身が子育て世代でもあるので、子育て世帯や子どものための様々な政策作りにはもちろん力を入れています。

ただそれ以前に、「親しまれる市議会」を目指す活動もしています。副議長就任の際の所信表明でもお話ししたのですが、議会や政治が市民にとってすごく遠い存在にだと感じています。私は40代半ばですが、この年代の人からも「政治ってあんまり関係ないよね」とか「市議会って何しているか分からないよね」という声を耳にするほどです。このままではどんなにいい政策を作って市政運営をしても、市民に届かないのではないかという危機感がありました。

ーそのための取組みのひとつがSNSを通じた情報発信ですか?

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そうですね。Facebook、Instagram、公式HPでの記事など様々なツールを使って発信していますが、1番力を入れているのはYouTubeです。毎週木曜日に新しい動画をアップしていて、これまでに200本以上作ってきました。

実はYouTubeを始めるきっかけは、コロナ禍でした。初当選した9年前から、市民の方と繋がりを持つために市政報告会をずっとやってきました。1年で30回程、定期的に開催して直接意見を聞く場を作っていたんです。

それがコロナ禍によって報告会が開けなくなり、市民の方と距離ができ、今どういうことに課題を感じているのかということが分からなくなってしまいました。そこで市政報告会に代わる方法を探す中で、YouTubeで情報発信をしてみようと思いつきました。もう初めて3年目ぐらいになってますね。

ーとはいえ、YouTubeでの発信は初めてだったと思います。他のSNSとは違い、始めるのは難しくなかったですか?

難しかったですね。いざやってみようかなと思っても、どこから手をつけていいかさっぱり分からなくて。私は市民感覚と自分の感覚がずれないように、普段から妻になんでも相談するんです。政治のことでも、「今こんなことを考えてるんだけどどう?」とかですね。

そこでYouTubeのことも妻に相談したら、「じゃあ私、動画編集 やってみようか?」と言ってくれて。家内も看護師なので、経験があるわけではなかったのですが。それからずっと一緒にやっています。

ーそうなのですね。字幕の入れ方や効果音などが工夫されていて見やすいのでてっきり業者へ依頼しているのかと思いました。 

業者さんに頼むと、結構高いじゃないですか。そこまではちょっとできないので、ずっと2人でやっています。

でも、妻に編集をお願いすることでいい点もありますよ。実際は大分長く話しているのですが、妻の感覚で分かりにくいところは「この言葉ちょっと難しすぎるからダメ」などとバッサリ切ってくれるので(笑)。分かりづらい言葉、議会ならではの表現は全部カットですね(笑)。私も「ここは入れてほしい」というのは伝えますが、妻の感覚がより市民の皆さんに近いと思うので、その辺は任せています。

ー実際にYouTubeで発信をされてみて、どのような効果を実感されますか?

最近、認知が広がってきたなと思います。コメント結構いただくようになって。 今まで、知り合いや市民の方からのコメントはあったのですが、そうでない方からもいただくようになりました。例えば、昔四日市市に住んでいたという方から「今の四日市の状況が分かってありがたいです」と言っていただいたこともあります。

他にも、「YouTubeされてる方ですよね」と声かけられるようにもなりました。様々な会に顔を出しても「YouTube見てますよ」という一言をいただけるので、もう辞めるタイミングを失ってしまったなという感じですね(笑)。

まずはこちらから「こういうことやっていますよ」、「こういうことを今考えていますよ」ということを情報発信して、いただいた反応を提案に繋げていくということが実現できています。

ーすると、コメントは大切にされているんですね。

そうですね。中には手厳しいご意見もあるのですが、時間がかかっても必ず全て返信させていただいています。HPを通じて直接メッセージをいただくこともあり、直接会ってお話をお伺いしたり、現場を一緒に見に行くというような繋がりも持てています。 かなりいいツールになってきたなと思いますね。

ー皆さんどのようなテーマに関心を持たれているのでしょうか?

「これから四日市市がどうなるのか?」ということですね。新しく開通するバイパスの計画については2.4万回再生、四日市駅周辺の中心市街地再開発計画については1.4万回再生されました。これからの姿について皆さん関心を持たれていることがよく分かります。

ーなるほど。今後、SNS発信をどのように活用していくお考えですか?

YouTubeは今、毎週木曜日の午後6時に配信してるのですが、ライブ配信も最近始めました。商工会議所の方や商店街の方など様々なゲストを呼んで、四日市市でどういう活動をされているのかということをお話しています。

YouTubeのチャンネル名を「谷口周司の四日市向上委員会」としているのですが、一緒に四日市市盛り上げていけるようなツールにしていけるといいなと思っています。そのためには、まず知ってもらうこと。知ってもらわないと何も始まらないので、 多くの方に四日市市を知ってもらうきっかけにしていきたいです。

ーHPの記事などを拝見しても、分かりやすさをとても意識されているのが分かります。正直、様々なツールでたくさんの情報発信を続けるのは大変ではないですか?

正直大変ですね(笑)。議員は日々、色々な新しい事業や制度について説明を受けます。ただ、聞くだけだとインプットとして弱いところがあります。それをYouTubeや記事で噛み砕いて説明すると、 しっかり自分の中に落とし込めるというメリットがあります。ですので、ご相談を受けてもすぐに対応することができます。

私は、若い議員さんこそこうした情報発信を絶対やった方がいいと思います。自分のインプット、アウトプットのためという面も含めてですね。まずは「議員は何をしているか分からない」というイメージを払拭し、市民の皆様と繋がる。その輪が広がると、いい政策や提案に繋がっていくと思います。

ーありがとうございます。最後に、四日市市を盛り上げるために今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

四日市市は、どうしても公害のイメージが強いと思います。歴史として学ぶことは大事なのですが、今の四日市市は、きれいな青空も取り戻し、美味しい水もあります。これは行政、企業、市民が一緒に乗り越えた歴史ですので、 今の四日市をぜひ見てもらいです。

今、大規模な中心市街地再整備が進んでいますが、こうした整備を進めながらより多くの方に四日市に足を運んでいただけるような取組みを進めていきたいなと思っています。例えば、修学旅行の誘致など。今は全国一律で小学校5年生で公害について学ぶのですが、6年生で四日市市に来ていただければ面白いのではないかなと思っています。